子どもの看病手放さない 正面から向き合う働き方模索

日経DUAL

2019/7/25
子どもの看病手放さない、究極の働き方とは(写真はイメージ=PIXTA)
子どもの看病手放さない、究極の働き方とは(写真はイメージ=PIXTA)
日経DUAL

夫婦は共に働き、共に育児や家事をする――。この意識は、ここ何年かでずいぶんと普及したのではないでしょうか。なのに、子育て世代がモヤモヤを抱えたままなのは、取り巻くルールが旧時代のままだから? 前向きに自分の人生を切り開いている一人ひとりの小さな変革でも、社会を変えるうねりになるかもしれません。今回紹介する浅井有美さんは、フィンテック企業で働く2児のママ。会社の働き方に合わせるのではなく、時短から「業務委託」へと転向したり、「子どもの看病」をアウトソースしたりしない方法を模索したりと、これまで自分にフィットする働き方をフレキシブルに選択してきました。浅井さんの「仕事と育児を両立させる姿」には、新たな生き方が反映されています。

◇  ◇  ◇

出産前と同じ「アウトプット」を目指し、働いてきた

出産を経験するたび、私は、これまで知らなかった新たな自分の一面を知ってきたような気がします。今、戸惑っているのは、二度の出産を経て、自分の中の「母親のウエート」が大きくなっていることです。それによって、私の「働き方」は大きく変わりました。

長男を妊娠したのは、イベント企画会社に転職して3年目でした。当時は、営業も企画も何でもやるプロデューサーとして、サミットやモーターショーなどの大型プロジェクトにも関わり、仕事中心の生活を送っていました。「あと一山越えたら、もっと仕事が面白くなりそう」。まさに、そんなタイミングでの妊娠・出産でした。

入れる保育所を探す「保活」に敗れて1年半後の仕事復帰となりましたが、それからは、限りある時間を有効に使い、出産前以上に成果に固執するようになりました。結果として、生産性や営業成績を上げることができ、時短勤務ではなく、より自分の仕事の成果を実感できる「業務委託」として働くことを選びました。

今思うと、当時の私は、ある意味「合理的な子育て」ができていたのだと思います。いかに子どもがいないときと同じアウトプットを出すかを重視し、夫に子どもを任せて、それ以前と同じように海外出張もこなしてきました。

ただ、第2子を妊娠してからは、そうはいきませんでした。仕事をしながら長男の子育てもして、さらには、ひどいつわりに悩まされていたんですね。両親は遠方でサポートも受けられず、初めて、「もう手いっぱいかもしれない」と思いました。

イベント運営の仕事は大好きでしたが、当時の私にとって、これまでのような労働集約型の働き方を続けていくことは現実的ではありませんでした。私はもともと、目の前に仕事がある限り、何とかやり抜こうとしてしまうタイプですから、次男を妊娠し、産休に入って一時的に仕事が自分の手から離れたのはある意味、チャンスだったのだと思います。ブレーキをかけたタイミングで、現職のfreeeに転職、広報として働くことになりました。

転職後も、時間の制約を理由にすることなく、最大限のアウトプットを出していこうという姿勢に変わりはありません。ただ、一方では、二人の子どもを育てながら働く大変さもひしひしと感じていました。その大変さに比例するように、私の中の「母親のウエート」が、むくむくと大きくなっていく実感があったのです。