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パワハラ対策・セクハラ規制強化 職場はどう変わる 人生100年時代のキャリアとワークスタイル

2019/7/23

パワハラ防止対策の法制化、セクハラ規制強化で職場は変われる?(写真はイメージ=PIXTA)

近年、社会問題となっているパワーハラスメント(パワハラ)。今年5月の労働施策総合推進法の改正により、日本で初めてパワハラ対策が法制化されることになりました。男女雇用機会均等法なども一部改正され、セクシュアルハラスメント(セクハラ)についても防止対策の規定が強化されました。パワハラ法制化、セクハラ規制強化によって、職場はどう変わるのでしょうか。人事労務コンサルタントで社会保険労務士の佐佐木由美子氏が解説します。

■深刻化する職場のパワハラ、女性はセクハラ問題も

厚生労働省の調査によると、各都道府県の労働局に寄せられる相談件数は、自己都合退職(4万1258件)や解雇(3万2614件)を大幅に上回り、パワーハラスメントを含むいじめ・嫌がらせが8万2797件で6年連続トップとなっています(「平成30年度個別労働紛争解決制度の施行状況」より)。

連合が発表した調査では、職場でハラスメントを受けたことがある人の割合が37.5%、そのうち最も多い回答が「脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言などの精神的な攻撃」(41.1%)とパワハラに関するものです(「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019」より)。

しかし、この調査で男女別の回答を見ると、女性はパワハラよりもセクハラの被害が圧倒的に多く、男性14.2%に対して女性は37.7%にものぼります。「私的なことに過度に立ち入ることなどの個の侵害」も、男性18.2%に対して女性は26.6%と、職場のハラスメントについては、男女で異なる傾向が見られることがわかります。

■パワハラが認定される3要素

パワハラに関する相談や被害が深刻化する中、働きやすい環境を整え、従業員の退職や意欲低下などを防ぐことを狙いに、冒頭で述べたように国内で初めてのパワハラ対策が法制化されました。パワハラ対策の義務化は早ければ大企業は2020年4月から、中小企業は努力義務でスタートし2022年4月に義務化される見通しです。

そもそも、パワハラとは、どのような行為を指すのでしょうか。

職場におけるパワハラとは、以下の3つの要素をすべて満たすものとされます。

(1)優越的な関係を背景とした

(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により

(3)就業環境を害すること(身体的もしくは精神的な苦痛を与えること)

ここでいう「優越的な関係」とは、パワハラを受ける労働者が行為者に対して抵抗または拒絶することができない蓋然性が高い関係に基づいて行われることで、一般的には職務上の地位が上位の者による行為を想像されることでしょう。しかし、そればかりではく、同僚または部下による行為で、業務上必要な知識や豊富な経験を有していて、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行が困難である場合なども含まれます。

また「職場」とは、業務を遂行する場所を指します。必ずしも、会社など普段仕事をしている場所だけをいうのではなく、例えば取引先への移動中のタクシーの中も業務を遂行する場所であれば、職場と考えられます。

このように、パワハラの3要素の定義はあるものの、適正な範囲の業務指示や指導についてはパワハラに当たりません。この指導とパワハラの境界が非常に難しく、どこまでならセーフで、どこまではNGなのか、なかなか見極めることが難しい、ということがパワハラ問題を複雑化させています。この点については、指針で今後具体的な内容が示される予定です。

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