疾患招く歯周病 予防には何カ月に一度歯医者に?
この記事では、今知っておきたい健康や医療の知識をQ&A形式で紹介します。ぜひ今日からのセルフケアにお役立てください!
(1)3カ月
(2)6カ月
(3)12カ月
正解は、(1)3カ月です。
どれほど頑張って歯磨きをしても、歯科のプロには勝てない
「歯周病」を放置すると、脳卒中や心筋梗塞、糖尿病などの重大な病気の発症リスクが高まるといわれています。口の中の歯周病菌が傷んだ歯肉から血管内に侵入すると、「菌血症」を起こし、さまざまな病気を招いてしまうからです。口内細菌に詳しい鶴見大学歯学部探索歯学講座教授の花田信弘さんは、「菌血症で寿命を縮めたくなかったら、早く歯周病の存在に気づいて手を打つべき」と強調します。
歯周病の人はもちろん、まだ歯周病になっていない予備軍の人も、命に関わる病気を回避するためには予防的に口の中をケアすることが欠かせません。
「歯周ケアには、図の通り、4つの基本があります。プロの手に委ねるにしろ、セルフケアを行うにしろ、やみくもに歯を磨けばいいわけではありません。図の中でも第一に行うべきは、汚れや細菌を取り除く『物理的コントロール』です。効果を高めるには、自分で歯磨きをするのに加えて、歯科のプロフェッショナルの手を借りることが大切です」(花田さん)
歯周病では、歯に歯周病菌や虫歯菌がスクラムをがっちり組むように集まっている。これは「プラーク」または「バイオフィルム」と呼ばれ、歯の表面に強固に張り付いてしまいます。
「自力で頑張って歯を磨いても、『バイオフィルム』を落としきることは困難です。歯磨きをしてもバイオフィルムが残っていれば、細菌が再び増殖し始めます。その点、歯科医院で行うケア、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)は、プラスチックやブラシ、ラバー、特殊な薬剤などを駆使して、歯と歯の隙間や、歯と歯肉の隙間まで徹底的にきれいにします」(花田さん)
では、どのくらいのスパンで、プロのケアを受ければいいのでしょうか。
「PMTCで口の中を健康に保つには、3カ月に1回のペースが理想的です。6カ月でもいいじゃないかと思うかもしれませんが、半年もたつとプラークが歯石化するので、スケーラーという鋭利な器具でガリガリ削らねばなりません。頻繁にスケーラーを使うと歯面が傷つくこともあるので、歯石ができる前の、3カ月に1回の通院が理想です」(花田さん)
もちろん、口の中の健康のためには、自宅でのセルフケアも欠かせません。それに加え、定期的に歯科医院でプロの手によるケアを受けることが、病気の予防のために効果的であることを覚えておきましょう。
(日経Gooday編集部)
[日経Gooday2019年7月16日付記事を再構成]
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