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データ本位通貨リブラ、新システムの予感(平山賢一) 東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長

2019/7/23

写真はイメージ=ロイター
「実現までは曲折が予想されるがリブラの可能性は通貨の歴史からも納得がいく」

今回は新聞や各種メディアで話題の暗号資産(仮想通貨)「Libra(リブラ)」について、通貨システムの変遷から考えてみましょう。

20世紀初頭は、金や銀に裏付けられたカネが使われる「金(銀)本位通貨」時代でした。金貨や銀貨だけではなく紙幣が使われる時代でも、金や銀との交換が約束されている兌換(だかん)通貨であれば、この時代に含めてもよいでしょう。

■金・銀をモノサシに他のモノを計測

コメや砂糖などモノの価値は、金や銀の価値と比べられる時代です。干ばつや水害といった悪天候が発生し、米が不作で供給が減ると、金や銀の生産量は大きく変化しなかったため、コメの希少性が高まり、金や銀を基準にしたコメの価格は上昇しました。逆に豊作になれば、希少性が低下したコメの価格は、変化しない金や銀の価値に比べて下落したのです。金や銀をモノサシにして、その他のモノの価値を計測していたため、モノ同士の比較の時代であったと言ってもよいでしょう。

その後、1971年のニクソン・ショックを境に、この関係は変化期を迎えます。米ドルの金兌換が停止され、金というモノに結び付けられていたカネの発行量調節は、米連邦準備理事会(FRB)など中央銀行に委ねられるようになりました。

■中銀の信用が裏付けの時代に

金残高は大きく変化しないため、金兌換の場合の紙幣発行量は大きく変動しませんが、中央銀行が非兌換紙幣の発行量を決定できるようになりこの前提が揺らぎ始めました。中央銀行は金の保有量に関係なく、大量の紙幣を発行できるようになったのです。金との関係が断たれた紙幣の発行は、政策金利を決定する中央銀行に委ねられており、その意味で、紙幣は中央銀行が健全な政策を行うという「信用」を裏付けに発行される「信用本位通貨」とも言えます。

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