ブック

ブックコラム

マンガで身につく仕事術 身近なストーリーに親しみ

2019/8/1

『伝説の新人』と、そのマンガ版の両方を担当した藤井真也さん

「マンガでわかる」「マンガで身に付く」……。書名にこんな“枕ことば”のついたビジネス書の刊行が相次いでいる。ベストセラーの経営書やビジネススキルの解説書などをマンガにして、新たな読者を開拓するのが出版側の狙いだ。活字離れが指摘される20代の会社員や働く女性を中心に「読みやすいビジネス書」を求める読者のニーズを着実につかみはじめたようだ。

◇  ◇  ◇

東京・丸の内のオフィス街に立地する「丸善 丸の内本店」。7月中旬、ビジネス書の品ぞろえが豊富なこの総合書店を訪ねると、正面入り口すぐ横の「ビジネススキル・自己啓発」コーナーにマンガが並んでいる。一番目立つ右上に陳列してあるのは『マンガでわかる 伝説の新人』(集英社)だ。

2段目より下には『マンガでわかる「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』と『マンガでわかる 自分を変える習慣力』の2冊もある。同じ棚にある『リンカーンのように立ち、チャーチルのように語れ』や『部長の一流、二流、三流』といったビジネス書に比べると、表紙にキャラクターが描いてある分だけ、マンガ版の方が目立つ。

■読者の日常に近いストーリー展開

マンガが目立つビジネススキルの陳列棚(丸善丸の内本店)

「ビジネス書をマンガにして出版する新刊は、10年前に比べて大幅に増えてきたと感じます」と丸善の和書担当者は話す。このジャンルの売れ行きは堅調だ。元本となっているビジネス書が有名な本の場合は特に顧客の関心が高いという。「ビジネス入門書の、さらにその入門という位置付けです。大まかな全体像をつかむのに適していますね。読者の日常に近いストーリー仕立てのものは内容がスッと頭に入りやすい。若い世代に一定の支持層があるんです」(担当者)

出版社が力を入れ始めたのはなぜなのだろうか。『マンガでわかる 伝説の新人』(2019年3月)を担当した出版プロデューサーの藤井真也さんに話を聞いた。元本は同じく集英社が2012年に出した『伝説の新人 20代でチャンスをつかみ突き抜ける人の10の違い』だ。13刷になった元本の企画も藤井さん自身が担当している。

集英社は、大手出版社の中ではビジネス書分野への参入が遅かった。実は『マンガでわかる 伝説の新人』は、ビジネス書で同社として初めてのマンガ化だ。「マンガ版を出すのは手間もコストも相当かかります。これは売れる、と確信のもてる一冊を選びました」と藤井さんは明かす。マンガにすると、波及効果で元本も売れることが期待できるという。

ブック 新着記事

ALL CHANNEL