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筋トレは脚太くなるからイヤ? 女性の運動6つの誤解

日経Gooday

2019/7/19

「女性向けの運動についての本を書くために、先日、出版社の女性社員のみなさんに集まっていただいて、運動について話をしてもらったんです。すると、医師から筋力不足を指摘されて、肩こりや腰痛、脚のむくみで悩んでいるという方が、『健康のためにヨガを始めました』と言っていました。ですが、ヨガだけではそうした悩みは解決できないと思うのです」(中野さん)

ヨガは、筋肉をゆっくり引き伸ばしながら、呼吸を整えたり、自分の内面と向き合ったりするもの。通常は、筋肉に負荷をかけるレジスタンス運動にはならない。

「筋肉を増やすためには、トレーナーとしては筋トレをお勧めします。もちろん、ヨガを否定しているわけではありません。仕事のモヤモヤを解消したり、集中力を高めたりするには、素晴らしいアクティビティです。健康のために行うのであれば、筋トレや有酸素運動と併せて取り入れてほしいですね」(中野さん)

中野さんによると、フィジカルトレーナーとして理想を言えば、週に2回、筋トレと有酸素運動を行ったうえで、週に1回ヨガに取り組むのがお勧めだ。

■両脚スクワットでは筋トレとしては不十分?

健康のためには女性でも筋トレに取り組む必要があることが、最近ますます言われるようになってきた。

特に、加齢で衰えやすい下半身の筋肉量は、中年以降、年に約1%ずつ減っていくとも言われている。何もしないでいると、立ったり座ったりといった基本動作に支障が出るロコモティブシンドローム(運動器症候群)につながる恐れがある。

下半身の筋肉を増やすために多くの人が思いつくのが、スクワットだろう。だが、多くの人は効果的にスクワットを行えていないと中野さんは指摘する。

「両脚で行うスクワットを20回2セットやっても、筋肉量は増えません。理由は、負荷が低いからです。これは、だいたい駅の階段を1~2階分上る程度の負荷なんです。長く入院していたりして、歩けないほど極端に筋力が落ちている人でなければ、これぐらいの負荷では筋肉量は増えません」(中野さん)

筋肉は、普段よりも強い刺激を与えないと発達しないという性質がある。これは「過負荷(かふか)の原則」と呼ばれている。

「みなさんが普段持っているバッグはどれくらいの重さがあるでしょうか。少なくとも、1~2kgはありますよね。ということは、それ以上の負荷をかけないと、筋肉は発達しないのです。ですから、500gのダンベルでトレーニングしても、効果はありません」(中野さん)

スクワットに話を戻すと、両脚で行うのではなく、片脚で行うと負荷が上がる。「椅子の背に手を置いて、片脚を後ろに下げ、前の脚に体重をかけてスクワットを行ってみてください。こうした工夫で負荷を上げることができます」(中野さん)

両脚のスクワットは、負荷が低いため、「何回でもスイスイ行える」と勘違いしてしまうかもしれない。それでは「運動してるつもり」であって、効果が薄いのだ。

(上)椅子の後ろに立ち、両手を椅子の背に乗せ、片足を後ろに大股1歩分下げて前傾姿勢になる。体重は前脚にかける。(下)前脚に体重を乗せたまま、4秒かけて上の姿勢に戻る。20回×2セットが目標。左右反対側も同様に行う。(『女性が医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』より抜粋)

◇  ◇  ◇

世の中が便利になればなるほど、運動によって健康を保つことが大切になる。中野さんによると、女性は、「運動習慣がなく、運動のやり方が分からない人」と、「筋力が不足している人」が多いことが特徴だ。そのため、運動負荷の低い筋トレや有酸素運動などで「運動してるつもり」で終わってしまう人も少なくない。

「運動してるつもり」を解消し、短時間でも効率の良い運動を行えば、不調を自分の力で治すことが可能だ。ぜひ一歩を踏み出して、運動に取り組もう!

(ライター 松尾直俊)

中野ジェームズ修一さん
スポーツモチベーションCLUB100技術責任者/PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー。スポーツモチベーションCLUB100技術責任者、PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー。フィジカルを強化することで競技力向上やけが予防、ロコモ・生活習慣病対策などを実現する「フィジカルトレーナー」の第一人者。元卓球選手の福原愛さんなど多くのアスリートから支持を得る。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナーとして活躍。最新刊は『女性が医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)。

[日経Gooday2019年7月12日付記事を再構成]

女性が医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本

著者 : 中野ジェームズ修一
出版 : 日経BP
価格 : 1,404円 (税込み)

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