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食の達人コラム

伊フランチャコルタ 多彩な個性育む世界一厳しい製法 エンジョイ・ワイン(15)

2019/7/19

ラ・モンティーナのワイン

例えば、生産量の最も多いスタンダード・タイプの「フランチャコルタ」は、最低18カ月の瓶内熟成が義務付けられている。これに対しシャンパンの同タイプは最低15カ月。ロゼ・タイプや、ガス圧が5気圧未満と低くエレガントな味わいの「サテン」は最低24カ月とさらに長い。瓶熟成の期間が長いほど、風味が濃厚になる。

フランチャコルタの各生産者はこうした厳しい規定をクリアした上で、様々なやり方で個性をアピールしている。

ラ・モンティーナのミケーレ・ボッツァさん(右)と、父親で最高経営責任者のジャン・カルロ・ボッツァさん

例えば、年間45万本を生産する「ラ・モンティーナ」は使用するブドウは高級品種と言われるシャルドネとピノ・ネーロだけ。ピノ・ネーロはピノ・ノワールのイタリア名だ。オーナー一族で、輸出とマーケティングを統括するミケーレ・ボッツァさんは、「ピノ・ビアンコには凝縮感を弱める効果しかない」ときっぱり。最近使用が認められたエルバマットは試験的に使い始めているワイナリーも多いが、それに関してもボッツァさんは、「使う予定はない」と明言する。

ブドウ品種にこだわったラ・モンティーナのワインはどれも、引き締まった酸味を感じた。ボッツァさんは「それがうちのスタイル」と誇らしげに話した。

美術館のようなたたずまいのカデルボスコ

年間150万本を生産する大手の一角「カデルボスコ」は建物の屋上から醸造タンクが並ぶ施設の中まで、至るところにアート作品が展示され、まるで丘の上に立つ美術館の雰囲気。ゲスト用のヘリポートまである広大な庭の一角には日本風の庭園があり、池にはチョウザメがうようよいた。

余談だが、フランチャコルタ地方のある北イタリアのロンバルディア州は、養殖キャビアの産地としても有名。キャビアにはシャンパンが合うとよく言われるが、現地では、キャビアにフランチャコルタを合わせて楽しむ人が多いようだ。

1990年代半ばに地元の大企業が資本参加したカデルボスコは最新のテクノロジーを活用したワイン造りに取り組んでいる。一例が10年ほど前に設置した、世界的にも珍しいブドウ洗浄機だ。

収穫したブドウはすべてこの洗浄機を通し、乾かしてから発酵タンクに送り込む。皮の表面に付着した雑菌などがきれいに洗い落とされるため、発酵が安定。また、雑菌の繁殖を抑える効果はあるが摂取量が多すぎると人体に有害とされる亜硫酸塩の添加量を、必要最小限に抑えることができるという。

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