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がん克服した女性のライフシフト 人生の仲間と進む旅

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日経ARIA

働き方や生き方を、住む場所や働く場所を変える、そんなライフシフトをいつかやってみたい――ひそかにそう思っている人はたくさんいるはず。「特別なキャリアや強みがない私にもライフシフトはできるのでしょうか」。数々のライフシフターを取材してきた河野純子さんが、ライフシフトの第一歩の踏み出し方を実例をもとに解説します。

【今回登場するライフシフター】
■佐藤惠理さん(4人家族・ライフシフト年齢51歳)
自身のうつとがんを乗り越え、専業主婦からチュニジア産キリム(手織りのじゅうたん)を輸入販売する社会起業家へ

「自分が主人公」の人生へとライフシフトした人たちの物語を取材していると、「たくさんの人との出会いに支えられてここまできた」という言葉をよく聞きます。さまざまな人との出会いがあってこそ、ライフシフトは前に進むのです。ライフシフトは決して「一人旅」ではなく、仲間と共に進む旅。今回はそんな「旅の仲間」のお話です。

ライフシフトには、さまざまな登場人物が現れる

まず、すべてのライフシフト物語に欠かせない登場人物を紹介しましょう。

一人目は、『使者』です。主人公に、目指すべき目的地がどこなのかを気付かせてくれる重要な役割を担っています。

「私の人生、このままでいいのかな」と心が騒いだときや、「とにかく何かやってみよう」と動いてみたときに登場することもありますし、自身の病気や自然災害などのショッキングな出来事が「使者」となって、これからの人生に大切なことを伝えてくれることもあります。

次に欠かせない「旅の仲間」は、「ともだち」です。目的地を目指して一緒に旅をしていく頼もしい存在。

例えば、共同経営者やプロジェクトメンバーなどがそれに当たります。前に進むために力を貸してくれたり、常に応援してくれたりする「支援者」も大切な登場人物。ものの考え方やあるべき姿を説いてくれる「師」や、働き方や生き方の変化など未来の姿やシーンを解き明かしてくれる「預言者」、目的地にたどり着くヒントやアイデアをもたらしてくれる「寄贈者」といった登場人物が現れる人もいます。

また親しい友人や家族が「門番」となって登場し、前に進む理由や本気度を問うことも。

本気度が伝われば門が開き、「門番」が「支援者」や「ともだち」に変身することもあります。こうした「旅の仲間」がいて初めて、ライフシフトは前に進んでいくのです。ライフシフトにはいくつかの法則がありますが、「旅の仲間と交わる」もそのひとつです。

51歳でがんを発症し、「後悔しない人生を」と決意

チュニジア産の美しいキリムを輸入販売する「Lone Toujane(ローヌ トゥジェン)」を立ち上げた佐藤惠理さんのライフシフトは、自身の病気が「使者」となって始まりました。

第2子出産後、子育ての難しさに深刻なうつ状態となった佐藤さん。40歳の時にパート事務職として社会復帰の一歩を踏み出したものの、心身の不調は続きます。

転機は51歳の春、甲状腺がんを発症した時です。

入院して一人病室の天井を見つめて思ったことは、「人間死ぬ時は一人。あの時トライしておけばよかったという後悔は残したくない」ということ。「後悔しない自分らしい人生」。それが佐藤さんの目的地となったのです。

がんを乗り越えた佐藤さんは、その3カ月後の6月、行きたかったチュニジア南部を旅します。そして「何かを見つけたい」という思いが通じたのでしょう。旅の最終日に、「寄贈者」が登場します。旅の間お世話になった運転手さんが、家族が作ったというキリムをプレゼントしてくれたのです。佐藤さんはその色彩の見事さに目を奪われ、帰国時の機内で「まだ知られていないチュニジア産キリムを日本に紹介しよう!」と決意します。

とはいえ当時は言葉も話せず、商売も未経験。「何か得られるかも」と思い、ガイドブックから情報を得た神戸のチュニジア雑貨店「ダール・ヤスミン」へ東京から3時間かけて足を運んだところ、その店頭には偶然にもガイドブックの著者で店の経営者でもある道上朋子さんが、本拠地チュニジアから戻ってきていました。「ともだち」との出会いです。

ゼロから「ともだち」との旅が始まる

佐藤さんのライフシフトはここから一気に進みます。秋には事務職を退職し、長期滞在を可能にしてチュニジアへ渡り、道上さんとの協働を開始。12月には何のスキルも知識もないままパソコンを買うところから始めて、チュニジア産キリムを販売するウェブショップを立ち上げてしまったのです。

それから5年、佐藤さんはチュニジアと日本を往復しながら、キリムの輸入販売・製品開発のみならず、織り手である女性たちやその子どもたちの支援など、チュニジア全体の振興に寄与する社会起業家として奮闘中です。

佐藤さんは、まさしく自分らしい悔いのない人生を歩んでいます。夫や子どもたちも、不安定だった母親の突然の子離れ、そして未知の世界への挑戦に驚きながらも「支援者」として応援してくれているそうです。唯一、高齢の両親が「門番」として「一家の主婦が長いこと家を空けてあちこち飛び回るのはいかがなものか」と苦言を呈したそうですが、佐藤さんが生き生きと働いている様子を見てもらうことで安心してもらっているといいます。

情熱が、旅の仲間を引き寄せる

さまざまな「旅の仲間」と共に、ライフシフトを進めていった佐藤さん。がん発症を「起こることには意味がある」と受け止め、悔いのない人生を歩もうと決めたことが、心からほれ込める「キリム」との出合いにつながりました。それにしても「キリム」に出合った後の佐藤さんは別人のようにパワフル。「キリムを日本に広めたい」という情熱がエネルギーとなり、自ら動いて「ともだち」を引き寄せ、家族を「支援者」にしていきました。

「私もここまで情熱を傾けられる何かを見つけたい」――そんな思いを抱いた人も多いのではないでしょうか。

河野純子
ライフシフト・ジャパン執行役員。リクルートで『とらばーゆ』編集長を務めたのち、住友商事に転身し、新規事業開発に取り組む。2017年にライフシフトし、海外留学を経て、2018年慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科に在籍、同時にライフシフト・ジャパンに参加。学生として「ライフシフト学」を研究しながら、個人事務所にて事業開発コンサルティング・プロデュース活動を再開。共著に『実践! 50歳からのライフシフト術』(NHK出版)

■ライフシフト・ジャパン
https://lifeshiftjapan.jp/

(取材・文 河野純子、イメージ写真 鈴木愛子)

[日経ARIA 2019年4月11日付の掲載記事を基に再構成]

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