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40代からガラリと変わる 職歴書・面接トークの正解 経営者JP社長 井上和幸

2019/7/19

■ファクト(事実)、ナンバー(数字)、ロジック(論理)が3本柱

一つ一つの職務実績の記述については、「形容詞を避けましょう」というのが注意点となります。社長クラスの職歴書でも、こんな記載をよく見かけます。

「当該期間中、経営を担い、たぐいまれなる業績を挙げた」

「たぐいまれなる」は事実だとは思うのですが、これでは「どのようなたぐいまれ」か、読み手は全く理解できません。実績を具体的事実で語れていない時点で職歴書としてNGです。さらに言えば、あなたの職務理解力・伝達力についても疑問符がつくことになりかねません。

職務経歴書の記述としては「ファクト(事実)&ナンバー(数字)&ロジック(論理)」で記載してください、と私は常日頃、申し上げています。

「着任時5000万円の売上だった同部署を、これまで窓口開拓できていなかった●●業界に対して自社の■■サービスで各社の売上アップを支援できることを▲▲の企画キャンペーンに落とし込み、ターゲット顧客50社を特定。5人のメンバーで担当を明確に割り振り、アプローチ。受注成功事例を共有し、提案をブラッシュアップし続けることで、結果1年後に売上1億円にまで押し上げることに成功した。」

「新規事業開発のマネジャーとして着任し、パイロットケースを立ち上げるところから50名の開発体制で●●サービスをローンチするところまで担当。当初は3カ年計画として任されたものを、プロジェクト体制の効率化を図り、サービスカットオーバー後の商談獲得について、開発期間中から主要クライアントを巻き込んでのニーズ開発と見込み仮受注を獲得することで、2年で事業化を実現。サービス提供スタートと同時に売上を▲▲万円立てることができ、結果、初年度から黒字化事業とすることに成功した。」

こういった具合に、事実情報、数字、業務の打ち手などについての論理を、ある意味、淡々とストーリで記載することがポイントです。

「5000万円の売上が1年後に1億円になった」「50億円の事業を預かり、5年で100億円を突破した」。これらの事実もすごいのですが、経営者が知りたいのは、この事実が「なぜ、実現できたのか」「あなたの、どのような考えと行動がこれを成し遂げることにつながったのか」の、行間こそを読みたい、知りたいのです。ぜひ、この点をしっかりと認識し、職歴書を作成したり、あるいはお持ちの職歴書を加筆改定したりしてみてください。

一般的に思われている以上に、職務経歴書の情報は40代、50代のミドル、シニアの転職においては非常に重要です。ここに記載した内容が、結果的に書類選考結果を大きく左右するばかりか、最終選考から入社に至るまで終始、ついて回るのです。ぜひ細心の注意を払ってしっかりと記述し、選考に臨んでください。

■自己PRで「何でもやります」は×、「これが自分の専門です」が○

40代、50代ミドル、シニアのキャリア面談を日々行っていると、年齢が上に行けば行くほど「任せていただければ、何でもやります」と言う人の比率が高くなります。

転職市場活況とはいえ、年齢が上がれば上がるほど求人は限られ厳しくなるのは事実。だから、採用してほしいという気持ちも相まって、「ぜいたくは言えない」「わがままだと思われたくない」という気持ちからこうした発言に至るのだと思います。悪いことは言いません、これは絶対にやめましょう。

30代前半までは「なんでも任せていただいたことをやります」は評価アップにつながりそうですが、40代から先では「何でもやります」人材は「何も一人前にはできません」と同じことを意味します。

そうではなく、「自分はこの能力を発揮できるこの役割で、御社に最も貢献できます」というところが明確化・自覚されていて、端的に伝えられることが大事です。極端に言えば、「私はこれしかできません」のほうが望ましいぐらいです。そして、「ですが、これだけは他の人には負けない自信があります。ここで御社に貢献します」と言い添えれば、資質をはっきり伝えられます。

可能性を買ってもらうのが若手中堅世代だとすれば、40代、50代は経験や専門性を買ってもらうのです。「潔く清々しい専門店」として勝負しましょう。

30代までは「いいね」と評価されたポイントが、40代から先ではそのままネガティブポイントとなることが少なくないことを、理解してもらえたかと思います。これは多くの一般人材エージェントも理解しておらず、間違ってアドバイスしている部分でもあります。間違った情報に踊らされず、ミドルシニア世代としての意識転換をしっかり図り、行動することこそが、40代からの転職力を磨くマストポイントなのです。

井上和幸
経営者JP社長兼CEO。早大卒、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。「社長になる人の条件」(日本実業出版社)、「ずるいマネジメント」(SBクリエイティブ)など著書多数。

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