丸ノ内線みんな幸せに 方南町駅のホームどう変わった南田裕介の変わる「鉄」を見にいく

ホームの時刻表を確認する南田さん。ダイヤ改正前日の取材だったので、新しい時刻表の上に古い時刻表が貼られている

「過走余裕距離」を満たすために26メートル伸ばす

南田 6両化に向けた工事は2012年から始まったとのこと。構想はいつからあったのでしょう? 経緯を教えてください。

内藤さん 最初は、駅舎がバリアフリーに対応するように迫られたことでした。ほかの駅で整備が進むなか、方南町は57年前に開業してからほとんど手がつけられていませんでした。まずはエレベーターの設置、そこから6両化のためのホーム延伸と会社で09年に方針が固まりました。

南田 丸ノ内線の支線は「取り残されている感」ありましたもんね(苦笑)。

内藤さん 方南町に6両編成を入れるためには、「過走余裕距離」を満たすためにホームを26メートル広げる必要がありました。「過走余裕距離」とは、駅ホームに列車が入る際に停車が遅れても安全を担保する線路の長さのことです。

南田 ここからが新たに伸ばした線路ですね?

延伸されたホームをのぞき込む南田さん
「過走余裕距離」を満たすために伸ばしたホーム。工事前には駅事務室、券売機、改札口などがあった場所

内藤さん はい。もともとは駅事務室、券売機、改札口、電気室、一般トイレなどが配置されていました。各施設の移転先として、新たに土地を取得したのが09年。そこから新たにホームを掘削し拡張しました。

元あった施設を入れるために所得した土地は、地下1階、地上3階のビルになりました。方南町の「地域のアイポイント」になるように、外観にこだわった設計をしています。ビル全体がL型で壁面はアルミパネル、2階部分は一面ガラス窓を採用しています。

南田 おぉ、空調の排気口部分やホームの壁面など、デザインが「丸ノ内線カラー!」細かなこだわりを感じます。

駅構内の照明をLED化し、床、壁、天井にアクセントとなるラインを入れたという
排気口まで丸ノ内線カラーに塗られている

内藤さん リニューアルテーマは「活を与える駅」。丸ノ内線の始発駅として、活発、活力、活動を感じさせることを意識しています。今回の駅機能の全体としての変化は、17年12月に出入り口3a・3bを新設、バリアフリー設備(エレベーター、エスカレーター、多機能トイレ)を新設。そして、今回のホーム延伸です。駅構内床・壁・天井全体の改装、照明のLED化、空調設備更新。浸水対策として駅出入り口への止水板の設置(全出入り口)も行いました。

平山 6両化に伴った、一連のプロジェクトだったわけですね!

南田 6両化を含むリニューアルで、ご苦労された点はどこでしたか?

工務部の杉山誠さん

東京メトロ鉄道本部・工務部 杉山誠さん(以下、杉山さん) 一般的なホーム延伸工事は夜間に行うところ、方南町は始発駅なので片線を閉鎖して集中的に行うことができました。工事する側となる半分のホームと線路に仮囲いをして。その間、ホーム全体が2分の1スペースになり、駅を利用するお客様にご不便をおかけしてしまいました。

平山 片線だった時期、列車の運行上の支障はなかったのでしょうか?

杉山さん 朝夕ラッシュ時に減便しました。片線営業のおかげで、全体の工事工程はかなり短縮できたんです。夜間工事だと、送電停止が1時で送電開始が4時半。その間に準備や片づけを含めてやらないといけない。実質作業時間は2時間半程度です。工期は3倍以上かかってしまいます。

始発駅なので中野坂上方面が2線あり、片側を閉鎖して集中的に工事を行った
MONO TRENDY連載記事一覧
注目記事
次のページ
投資額は約70億円
MONO TRENDY連載記事一覧