洗濯機は最新ドラム式が買い お任せ度高い日立が便利
消費増税前に入手しておきたい大型白物家電の一つが、洗濯乾燥機だ。なかでも多機能化した最新のドラム式洗濯乾燥機は、実勢20万~30万円程度と税率アップのインパクトは大きい。夏場の「増税前セール」を狙いたい。
洗濯乾燥機のトレンドとして今注目されているのが、液体洗剤・柔軟剤の自動投入機能。通常は衣類を入れてスタートすると、洗濯槽が動いて布量が量られ、指定された量の洗剤を入れるという手順がある。自動投入機能を搭載するモデルではこのステップが省略され、自動的に適量が投入される。
ちょっとしたことに思えるが、毎日の作業におけるこの利便性は、実はかなり高い。この機能を求めるなら、下表にあるパナソニックや日立の上位モデルが選択肢となる。
洗濯の仕方で差があるのが、温水機能。パナソニックと東芝ライフスタイルは、洗剤液自体を温め、15~60度のコース設定で洗う仕組み。洗剤成分が活性化され、黄ばみや汗ジミなども除去しやすい。日立とシャープも温水機能は搭載するが、ミストや温風で温める仕組みなので、温度は低め。細かな温度設定はできない。
パナソニックは泡洗浄、日立は大流量のナイアガラ洗浄、シャープは微細な水滴を噴射するマイクロ高圧洗浄、東芝は小さな泡のウルトラファインバブル洗浄という洗い方。「おしゃれ着を優しく洗うのに向いているのがパナソニック。泥汚れなど頑固な汚れに強いのがシャープという印象」(ビックカメラの大型家電販売担当者)。日立と東芝はその中間で、日立の方がややおしゃれ着向き寄りだという。
乾燥方式の違いもポイント。除湿機のように低温で優しく乾かすヒートポンプ式を採用するのは、パナソニック、シャープ、東芝。衣類の縮みが少ないのが同方式の利点とされる。ヒートリサイクル式の日立は、ヒーター式に近く、タオルなどがふかふかに仕上がるのが特徴だ。シャープも乾燥の仕上げ時などにヒーターを使う。
「洗濯乾燥機は長く使うものなので、家族の10年後まで考えて選ぶことを勧めたい」と前出の販売担当者。例えば、年ごろの女の子がいる家庭なら、おしゃれ着洗いが増えそうなのでパナソニックが向く。運動部に所属する子供がいるなど、泥や汗の強い汚れを洗うことが多くなりそうなら、シャープや東芝が有力候補になるだろう。
日立は洗剤・柔軟剤自動投入機能と独自の「AIお洗濯」により、ほぼ任せっきりで洗濯乾燥ができる。共働きで日々の家事負担をできるだけ減らしたいような世帯に向く。
自動投入機能を搭載するモデルはまだ高価だが、同機能を省いた下位モデルも用意されている。優先する機能を考えながら価格と相談して選びたい。
【CheckPoint】
●簡単・便利な自動投入機能、洗い方で得意分野に違い
最新の人気機能は、パナソニックと日立が搭載する液体洗剤・柔軟剤の自動投入。洗濯物の量などに応じて適量を入れてくれる。洗い方や温水機能などの違いにより、おしゃれ着が得意、強い汚れが得意など方向性にも違いがある。
●日立は「AIお洗濯」で洗濯~脱水を自動調整
布の量や水温、水の硬度をセンシング。その後、洗剤の種類や布の動き、汚れ具合を判断しながら洗い、布質に合わせてすすぎ、脱水を行う。
●強力な部分洗いツールを搭載するシャープ
襟首や袖口などの頑固な汚れを効率的に落とせる「超音波ウォッシャー」が付属。毎秒3万8000回の超音波振動により微細な泡を発生させ、汚れをはじき飛ばす仕組み。
●東芝は小さい泡で洗浄効果を高める
ナノサイズのウルトラファインバブルを作り出し、その泡が洗剤ケースを通って洗濯槽に入る。洗剤の洗浄成分を活性化させ、衣類の奥まで浸透させることで洗浄効果を高めるとうたう。
[日経トレンディ2019年8月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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