「老後2000万円」 備えに動く現役世代(渋沢健)コモンズ投信会長

つみたてNISAは20年間の時限制度として施行されました。18年に投資を始めていれば積立期間は20年間、19年開始なら19年間、20年から実施すれば18年間です。積み立て投資は長く続けるほど一定の成果が経験則上、期待できるとされています。つみたてNISAの制度を恒久化するとともに未成年を対象にした「ジュニア制度」を設けることが政策の優先課題ではないでしょうか。

2018年に時限制度として導入されたつみたてNISAは恒久化が課題

日本は新しい時代の節目に差し掛かっています。日本の人口ピラミッドの変化および現役世代の保険料を財源とする公的年金の制度設計からはっきりとみえるのは、40代以下から資産形成を始めることの必要性です。一人ひとりが資産形成への意識を高める一方で、日本社会全体の構造的なサステナビリティー(持続可能性)のために政府が現役世代の資産形成を後押しすることが重要だと考えます。

高齢家計の経済リスクは各国共通

金融庁の今回の報告書は「2000万円不足」という数字だけが独り歩きして批判を浴びる結果になったのが残念です。日本など主要国だけでなく、世界の多くの国でこれから高齢化が進むとみられています。報告書は高齢化に伴う家計の経済リスクに政府、民間金融機関、個人一人ひとりがどう対応すべきかを示しており、もっと高く評価されていい内容だと思います。

6月29日に閉幕した20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)の首脳宣言では、宣言の最初の方に盛り込まれているにもかかわらず、報道では重視されなかった合意項目があります。高齢化と金融包摂のための「G20 福岡ポリシー・プライオリティ」です。G20ワーキンググループの作業計画提案であり、6月6日に発表され、6月8~9日のG20財務大臣・中央銀行総裁会議でも承認されています。

金融包摂というとなじみがない言葉ですが、ファイナンシャルインクルージョンとして近年では日本国内でも使われ始めています。全ての人が正規の金融サービスに適正なコストでアクセスして利用できることを目指し、人々の様々なライフステージにおけるニーズに応えられる金融サービスの提供と行政による制度設計を促す考え方です。

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