マネーコラム

カリスマの直言

「老後2000万円」 備えに動く現役世代(渋沢健) コモンズ投信会長

2019/7/16

老後に備えた資産形成は早めに始めたい
「一人ひとりが資産形成への意識を高めるとともに政府は現役世代の資産形成を後押しすることが重要だ」

7月初めに都内で開かれた20~30代向けのセミナーに講師として参加しました。「社会変化と未来の自分」というテーマで資産形成も含めて話をしたところ、参加者の関心が高かったのは「2000万円問題」でした。金融庁の市場ワーキンググループがまとめた報告書が「老後資金は30年で約2000万円不足する」との試算を示したことが大きく取り上げられ、騒動となっているからでしょう。

■「人生100年」に備える若い世代

セミナーでは将来への不安を口にする参加者はいたものの、「もし年金が不足するならどう備えればいいか」という意識を持つ人が目立ちました。積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)が2018年に導入されてから、筆者は個人投資家向けセミナーで男女を問わず若い現役世代の参加が増えていることを実感していましたが、「2000万円問題」をきっかけにそうした動きがさらに広がりつつあるようです。人生100年を見据えて、動き始めている人たちが日本社会において確実に増えているのです。

「人生100年」を見据えて将来設計を考える若い世代が増えている(7月、都内で開いたセミナー)

金融庁の報告書を巡る騒動では「2000万円もの資産をつくるなんてできない」といった声も聞かれましたが、必ずしも非現実的な数字ではないと思います。セミナーなどで筆者が提案しているのは積み立て投資です。定期的に一定額の積み立て投資を実践し、30年間で運用成果が年率3.3%だったと仮定しましょう。毎月3万3000円で30年後には約2000万円の資産が形成されている計算になります。月3万3000円というと年間ではおよそ40万円、つみたてNISAの適用上限です。

同じく30年間の積み立ての運用成果が年率7.5%だと仮定すれば約2000万円になるため、必要な毎月の積立金額は1万5000円と半減します。日本を含む世界の株式市場の長期的リターンは、およそ年率7.5%です。

30年ぐらいの時間をコツコツとかければ、2000万円は遠い金額ではないのです。ちなみに人生100年を見据えて、その半分の40~50年の時間をかければ、2000万円に必要な毎月の積立金額は同様の計算ではもっと少なくなります。

マネーコラム 新着記事

ALL CHANNEL