見落とした穴にこそチャンス 米国人が南山大で得た縁オークローンマーケティング ロバート・W・ローチ会長兼社長(下)

オークローンマーケティング ロバート・ローチ会長兼社長
オークローンマーケティング ロバート・ローチ会長兼社長

テレビショッピング事業のオークローンマーケティングの創業者で会長兼社長のロバート・W・ローチ氏(56)は、大学3年の1年間を名古屋市の南山大学で過ごした後、大学院生になってからもう一度、南山大に留学した。交換留学中に日本が面白くなり、生涯の伴侶となる女性にも出会っていたため、何とかもう一度南山へと思ったとき、大学が手を尽くしてローチ氏が再来日するすべを探してくれたという。「南山は考え方が広かった」。ローチ氏は今も感謝の言葉を口にする。

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「とりあえずロースクールに行け」。父の言葉で弁護士資格を取得した。

大学3年のときに南山大で1年間過ごした後、米国に戻ってイリノイ州立大を卒業し、1985年デンバー大学ロースクールに入りました。自分が弁護士になりたかった父から「やりたいことがないなら、とりあえずロースクールに行け」と言われていたからです。しかし、僕はもう一度南山大に戻って勉強したいと考えていました。のちに妻となる律子とも文通で交際を続けていましたし、なにより1年間の交換留学で日本が面白くなっていました。

それで、ロースクールが始まる前の夏休みに来日して、南山大の南山宗教文化研究所で哲学を教えていたジェームズ・ハイジック先生に相談したのです。米国のロースクールは卒業したいけれど、大学院生の間に南山でも法律を勉強する制度はないか、と。

ハイジック先生は、実は交換留学時代に週2回参加していたバスケットボールの仲間でした。ハイジック先生は、法学部に研究生という制度があることを調べてくれた。制度はあったけれど、ほとんど誰も使っていない仕組みだったそうです。大学側が僕がその制度を活用できるか十分に検討してくれて、1年半、南山大に留学できるように手配してくれました。この準備に1年近くかかりました。

86年、2度目の南山大への留学を果たした。

南山大は考え方が堅くなかったなあと思います。視野を広く、僕という一学生が再び留学する可能性を、手を尽くして検討してくれました。この時に思ったのです。制度のなかに使われていない「穴」の部分があった。そこに南山大が気づいて、僕が使えないか考えてくれた。ルールとか制度には、みんなが気づいていないけれど使える部分があって、それがチャンスになることがある。その後の僕のビジネスそのものなのです。