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プロ経営者 松本晃の流儀

2019/7/20

プロ経営者 松本晃の流儀

もう一つ、ダイバーシティーへの抵抗になるのが、仲間内に入ってくる「異物」への不快感です。人間というのは、仲間内に異質な存在がまじると不快になる。男性10人の中に女性が1人入ったら……。日本人10人の中に外国人が1人加わったら……。言葉が通じないのにコミュニケーションをとらないといけないとか、いろいろあって面倒に思い、異物と捉えるようなことが起きてしまう。でも、人間としてそういう反応をしてしまうとしても、それを乗り越えないとうまくいきません。そうでしょ。

改革を進めるには、理屈を分からせるだけでは不十分。納得させるのが大切だ

会社を大きく変えようと思ったら、トップダウンで、いろいろな抵抗勢力と戦わなくちゃいけない。一番大切なのは、トップが強い意志を示すことです。「ガタガタ言わずにやれ。嫌なら辞めろ」というくらいの強いメッセージを発する。そうしないと勝てません。

人は理屈じゃ動かない

なぜ変えなければならないのか、みんなに納得させるのも大切です。人間は、理屈が分かっただけでは、なかなか行動に移しません。納得しないとだめなんです。そのために分かりやすく説明する。この手間を惜しんではいけません。

「ダイバーシティーを進めると様々なアイデアが出てくる。イノベーションが起きて生産性が上がる」――。そういう話をよく聞くでしょう。それは必ずしも間違いじゃないんですが、イノベーションとか生産性とかいっても、誰も動きません。

そのために僕はよく、スポーツのたとえを出すんですよ。女性活躍のところ(「女性管理職の比率4倍に 働き方改革『元祖』の徹底ぶり」)でもお話ししましたが、プロ野球の巨人軍だって昔は外国人選手なしでも戦えたけれど、今は無理です。大相撲では大横綱の白鵬関をはじめ、番付上位はモンゴルの人ばかりですが、今それに文句を言う相撲ファンがいますか? といった具合です。

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