中村倫也、急上昇男優トップ 出演作「全部濃かった」

日経エンタテインメント!

(写真:橋本勝美)

「(横浜)流星のやっている匡平と、(永山)絢斗君の雅志と、僕の山下と、3人のカラーがはっきりしていて、男臭く取り組んだというか。キャラクターの振り幅だったり、物語の流れのなかで、周りの登場人物にどんな関係や影響を及ぼせるのかみたいなことを考えましたね。どの役もそうですが、共感したり理解しながら演じました。山下のほれたら『ほれた』って言うところとかは、『ま、そうだよね』って思いながら」

多くの支持を得たここ1年の経験が今後の俳優人生にプラスになりそうかと聞くと、「全てが地続きだと感じている」と言い、「意識していないところで血肉になる部分がきっとあり、それが後々生きてくるのではないか」と語った。

そんな中村が新たな挑戦をしたのが、実写化されて6月から公開中の映画『アラジン』だ。プレミアム吹替版でアラジンの声を担当している。オーディションに参加して抜てきされた。

「正直、選ばれると思っていなかったです(笑)。オーディションでも声をあてたり、楽譜と楽曲をいただいて歌ったりしましたが、そういう経験自体がこれまでにあまりなかったので、楽しみながら取り組みました。

選ばれてからは、責任重大だなって。誰もが知る世界的な作品に携われるというのは、身が引き締まる思いでした。吹替えの仕事は初めてで、他者の芝居の表現やリズムに言葉だけをあてていくのはあんばいも微妙で、発見が多かったです。15年くらいこの世界にいて、30歳も過ぎると、初体験みたいなことが少なくなってくるじゃないですか。だから『アラジン』の経験はとても新鮮でした。

最初に演出で『声を高く』って言われたんです。なんでだろうと思いましたが、要は目をキラキラ輝かせている子どものようなつもりでやるといいんじゃないかということで、合点がいって。それまでは単純にキーを上げてたんですが、腑に落ちてからは全部がかみ合っていきました」

最後に、刺激を受ける同世代の俳優を聞くと、「賀来賢人」という答えが返ってきた。

「以前一緒に『RENT』(12年)というミュージカルをやったのが出会いです。僕もゲスト出演させてもらった『今日から俺は!!』(18年)で、賢人は主演で。今年会ったとき、『なんか似たような時期にくすぶって、似たようなタイミングで注目されてるな、俺ら』っていう話をしたんですよ(笑)。持っているものは全然違いますが、応援したい人物であり、戦友として、賢人は大きな存在ですね」

(ライター 内藤悦子)

[日経エンタテインメント! 2019年7月号の記事を再構成]

エンタメ!連載記事一覧
注目記事
エンタメ!連載記事一覧