22歳がAIと挑む婚活改革 アプリの母はスゴ腕仲人リレーションテクノロジー社長 高野悠さん

会員は同社が厳選した飲食店や映画館、プラネタリウムなどの中から、行ってみたいお店を選んで登録する。「一緒に行きたい人」と「一緒に行きたい店」が一致してお互いが承認すれば、アプリが日程調整から予約までしてくれる仕組みだ。これなら相手が見つかってから「この次はどうすればいいの?」と悩まずにすむ。無事にデートを終えた後には、相手の感想がフィードバックされる。「脈ありかどうか」を判断したり、次の出会いに向けてデートでの行動を改善したりするのに役立てられる。目指すのは、まさに一人ひとりに仲人さんが寄り添うような、手厚い対応だ。

高校時代にラグビーで挫折

結婚相談所を経営する母の仕事ぶりに影響

人の心の機微をくみ取る仲人の技と現代の情報技術(IT)をうまく融合させようというアイデアは、身近でプロの仕事ぶりに接していた高野さんだからこそ、と言えそうだ。ところが、中学生のころは母の仕事に反発していたという。相談に訪れた女性たちが自宅の居間で号泣する姿を何度も目撃していたからだ。

「まるでいじめているみたいで『何やってるんだろう』という感じでした」と振り返る。このとき、母はあえて厳しい言葉で現実ではありえないような「条件」を並べる女性たちをたしなめていた。最初は「そんなことない。私はこういう人と結婚できるはず」と泣きながら抵抗する女性たちも、話をするうち徐々にこれまでと違う観点から「相手のここが好きだから、他は気にしない」という部分を見つけられるようになる。数年後、赤ちゃんを連れて幸せそうな様子で自宅に訪れる家族が増えるにつれ、母の仕事を見る目も変わっていった。「これは意義のある、すごい仕事なんじゃないか」

高野さんが最初に起業したのは、高校時代だ。ビジネスプランコンテストで優勝し、そのときに調達した資金で高齢者にスマホの操作を教える事業を立ち上げた。祖母の暮らす老人ホームで使い方を教えたのがきっかけだった。「少子高齢化で引き起こされる課題を解決したい」と考えての起業だったが、次第により幅広い年齢層にかかわる事業をしたいと考えるようになる。「孤独で心寂しい人をなくす」。こう目標を定め、2016年8月、19歳で会社を立ち上げた。

「もっとインパクトのあるビジネスがしたい」。シニア向けの事業を売却し、次に目を付けたのは母親の仕事領域である「結婚」だった。通っていた明治大学情報コミュニケーション学部も中退した。退路を断って事業に打ち込むためかと思いきや、理由は「大学生が嫌いだから」。「いつも飲んでるだけなのに、なんで『おつかれー』と乾杯しているの?」と反発していたと話す。

背景には、高校時代の自身の挫折があると自己分析する。父は学生時代にラグビーに打ち込み、全国大会にも出場。現在は大手不動産関連会社役員を務めるエリートだ。父の影響もあり、強豪校の明治大学付属中野高校で自身もラグビー部に入った。だが、小柄な体格で週7日の過酷な練習はきつく、途中でやめてしまう。一度、本気でがんばる体験をしてからは「がんばらない自分に罪悪感があった」。大学の授業やゼミの教授とのやりとりは楽しかったが、学生のぬるま湯的な雰囲気に我慢できなかったという。

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