22歳がAIと挑む婚活改革 アプリの母はスゴ腕仲人リレーションテクノロジー社長 高野悠さん

厳しかった父に初めて認められた

起業も中退も一人で決め、親にはずっと黙っていた。しかし、当時は「決算というものさえ知らなかった」状況。ある日、税務署からの勧告が自宅に届き、すべてが明るみにでる。厳格で、これまでほとんど褒められた記憶のない父の反応は、意外なものだった。「そこまでやりたいと思って覚悟しているなら、がんばれ」。初めて認められたと感じ、うれしかった。

「条件で選ばない婚活を浸透させたい」

母は当初「AIに仲人ができるはずがない」と懐疑的で、「(単なる金儲けのための)ビジネスにしないで」とクギも刺された。同業者も「仕事を奪われる」と身構えた。「個人の結婚相談所の需要はなくならない。共存できる」と説いて回り、何とか協力を取り付けた。熟練の仲人は成婚率が高いとはいえ、年間数十組が限界。費用も数十万~百万円はかかる。ネットを活用すれば、より多くの人が手軽に利用できるようになる。仲人が高齢化し、後継者がいないという危機感も、AIに技術を伝えようという後押しになったようだ。

事業を一緒に作り上げる仲間は、すべて自分から探して声をかけた。技術の中核を担うのは、高校時代にビジネスコンテストで知り合った友人だ。「アプリ甲子園」で準優勝したほどの秀才だが、口説き落とした。このほか、ツイッターで募集し、50人以上に面接して優秀なエンジニアを採用した。事業に対する「思い」に共感し、年収が大幅に減っても来てくれた。「同じ思いを共有しているからおもしろい。事業の売却は絶対にしたくない」と力を込める。

FANCYは立ち上がったばかりで、まだ事業は赤字。月額3500円の会費以外に商業施設からの掲載料も増やそうとしているが、軌道に乗ったとはいえない。機能面でも、デート後のフィードバックの使い勝手など、改善すべき課題がある。

将来、目指すのは「この人とはこんな話題がいい」など、“攻略方法”まで助言してくれたり、まるで結婚相談所のプロが利用者にささやいてくれるようなサービスだ。人と人の付き合い方は多様化し、必ずしも結婚にこだわらない人も増えているが、リアルなつながりを求める気持ちは変わらない。きっと日本でも「ネット経由で出会うのが当たり前の時代」が来ると確信している。

(ライター 高橋恵里)

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