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「就職氷河期世代」の切実な危機 現状と処方箋探る 人生の景色が変わる本(6) 『アラフォー・クライシス』

2019/7/11

■要点3 社会の激変が生んだ自己肯定感の低さ

就職氷河期以降、それまで当たり前とされてきた「学校を卒業して就職し、結婚」というモデルが成立しなくなった。アラフォー世代は、この現実と従来の意識とのずれに戸惑い、「こうなったのは自己責任」と思う傾向が強い。高度経済成長期に苦労せず就職・結婚した親世代から理解されず、責められることも。さらに、就職や転職で失敗を繰り返すうちに自信を失い、「社会から必要とされない」と思い込んでしまう。彼らが自己肯定感を持つためには、企業や社会が雇用の仕組みや意識を変えていく必要がある。

■要点4 介護で共倒れになる「7040問題」

アラフォー世代が20代だった頃、親と同居する独身者は「パラサイト・シングル」と呼ばれていた。それから20年、働いていた親は定年を迎えて年金暮らしに突入。子供の側も雇用が不安定で、収入は伸びていない。親の年金に頼って暮らしている独身アラフォー世代も多く、なかには親の介護に追われ、共倒れしかねないケースも出てきている。さらには親が亡くなった後、深刻な貧困に陥る可能性もある。

■要点5 「助けて」と言える“受援力”を持とう

自治体や民間でも、就職支援など、苦境にあるアラフォー世代を支援する取り組みが徐々に始まっている。個人としてできるのは「申し訳ない」「恥ずかしい」と思わず、苦しいときに迷わず助けを求める「受援力」をつけること。多様な制度やサービスを利用したり、役所に相談したりして、早めに支援を受けることが大切だ。

(嶌陽子)

[日経ウーマン 2019年8月号の記事を再構成]

アラフォー・クライシス: 「不遇の世代」に迫る危機

著者 : NHK「クローズアップ現代+」取材班
出版 : 新潮社
価格 : 1,512円 (税込み)

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