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ARで砂遊び 知育テーマパーク「リトルプラネット」

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日経クロストレンド

2006年に子供が就業体験できる屋内型テーマパーク「キッザニア東京」が開業し、現在も人気の施設となっている。約60の施設から好きなものを選び、仕事体験ができる「知育」テーマパークだ。20年には3店舗目が名古屋市にオープンする予定。人気のキッザニアですら、1号店オープンから3店舗展開に10数年を要しているが、わずか1年で6店舗にまで拡大させた「知育」テーマパークがある。それがプレースホルダ(東京・品川)が運営する「リトルプラネット」だ。

拡張現実(AR)などのデジタル技術と、昔ながらの遊びを融合させたアトラクションを提供するのが特徴。19年10月には静岡県沼津市に開業する商業施設「ららぽーと沼津」に7店舗目をオープンし、19年中に常設施設を9店舗まで拡大する予定だ。

リトルプラネットのようなARを活用したアトラクションには、大手企業も熱い視線を向ける。例えば、18年には「ハウステンボス」が、屋外ウォークスルー型ARアトラクション「ジュラシックアイランド」をオープンした。ハウステンボスが有する大村湾の無人島を丸々使って、ARスコープ越しに現れる恐竜と戦うことができる。19年2月には、「よみうりランド」がARを活用した「スーパー遊園地」構想を発表した。ARの活用によって28年度には、18年度の2.3倍となる433万人の利用者を見込んでおり、ますますテーマパークでのAR活用は広がるとみられる。

テーマパークの短期アップデートを可能に

リトルプラネットはARを実現するハードウエアに汎用的な製品を使い、ソフトウエアコンテンツの開発に注力することで、費用や時間をかけることなくコンテンツのアップデートがしやすいつくりになっている。

この発想が生まれたのは、プレースホルダ最高経営責任者(CEO)の後藤貴史氏の前職に関係する。後藤氏はもともとソーシャルゲーム事業のポケラボ創業者でゲームクリエイターだ。「市販のゲームは売り切り・買い切りでよいが、アプリゲームは進化させ続けて、楽しませるアップデートが必要。(アプリゲームと)同じ発想で、元からアップデートを前提としたつくりにした」と話す。

例えばアトラクションの1つ「PAPER RIKISHI」は、力士の塗り絵に色を塗った後、設置してあるカメラでスキャンし、映像に取り込んだ力士を戦わせるデジタル紙相撲だ。塗る色に応じて、力士の能力(スピード・体力・強さ)に変化が生まれる仕組み。また、19年4月に登場したカーレースが楽しめる「SKETCH RACING」も同様に、色を塗りスキャンして映像に取り込んで遊ぶ。

これら2つのコンテンツは同じ設備を使うため、既存の店舗に設置されているデジタル紙相撲のアトラクションを、即日カーレースに変更することも可能だ。季節やイベントごとにアトラクションを変えやすく、ソーシャルゲーム的発想のテーマパークと言えよう。費用をかけずとも、リピーターに飽きさせないようにアップデートし続けられる。

坪当たりの費用が半分で済むワケ

さらに制作・運用コストも抑えられる。「(リトルプラネットは)坪当たり、一般的な工事費用の半分しかかからない」と後藤氏は話す。これだけ低コストで運用できるのには、2つの理由がある。

1つ目が先にも述べた、汎用的なハードウエアを利用していること。特別なカメラやセンサーを使わず、市販品を用いることで、価格を抑えながら、多店舗展開を容易にしている。例えば、AR砂遊び「SAND PARTY!」では、インテルの3Dカメラ「リアルセンス」を使用。砂場の真上に取り付けることで深度を測定し、砂の高さに応じて海や火山の映像を投映。8段階で演出を変えている。

2つ目は、施設設計をする際、「ビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)」という技術を使うこと。BIMは、09年ごろから普及した建築分野の新しいフローのこと。対応ツールを使えば、今まで2次元情報だった図面がコンピューター上で3次元となる。加えて、その図面の中にさまざまな情報を書き込めるのがBIMの特徴だ。実際に置く机や椅子、プロジェクターの大きさや費用情報を登録すると、予算やプロジェクターの投映範囲を自動計算する。そのため建築に関わる情報伝達やコスト管理が容易になる。

社内には一級建築士がおり、図面を3D化するツールであるRevit(レビット)を使って図面を作製している。また、Revitで作製したモデルは、ゲームエンジンUnity(ユニティ)にそのまま取り込むことができ、VR化が可能。現実に近い立体的なイメージが構築されるので、建築について素人でもイメージを共有することが容易になる。これによって、従来、施設が完成してからでないとできなかった、実際の距離感や子供の目線のイメージを確認できる。

新しい施設をつくるときは、コンセプトさえ決まれば、今まで作ったモデルの数値を変えるだけでよいので、何度も設計図を描かずに済み、スピード展開が可能となる。

目標は来場者数55万人

プレースホルダは、19年度の全店合わせた目標来場者数を55万人と設定している。同4月から集計を始め2カ月たった今、順調に来場者数は増えている。

さらに集客策として、スマートフォン向け公式アプリの提供を始める。19年7月中に1店舗でテストを実施し、8月から本格展開する予定だ。このアプリには入場チケットの事前予約機能が盛り込まれる。事前予約は以前から利用者のニーズが高かった。「今年のゴールデンウイークは(各店50枚限定の)フリーパスを求め、長蛇の列ができた。最大で4時間待ち。列が長すぎて、離脱してしまう人も少なくなかった」と後藤氏は言う。事前予約機能の提供で、こうした課題の解消につなげたい考えだ。

また、アプリの開始によって、顧客データをより取得しやすくなる。今までは、夕方が混み合うなど店舗スタッフから聞くざっくりとした情報しか得られなかったが、アプリ導入で、時間帯による混雑状況などを数値で精緻に把握できる。データを活用して今後、顧客動向を把握し、コンテンツのアップデートや年パス発行を考えるという。

アプリ制作には、「今後、施設内のアトラクションとの連携を図りたい」(後藤氏)という狙いもある。AR砂場で公式アプリを起動したスマートフォンをかざせば新たな生き物が現れたり、デジタル紙相撲のスクリーンに映し出された力士にかざせば能力が見れたりといった、新しいコンテンツを生み出せる可能性がある。

進化し続けることが可能なテーマパークは、全国の商業施設などでまだまだ広がるだろう。

(日経クロストレンド 松野紗梨、写真提供:プレースホルダ)

[日経クロストレンド 2019年7月5日の記事を再構成]

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