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座禅で養う学びの心 「入ってから伸びる」世田谷学園 世田谷学園中学校・高校の山本慈訓校長に聞く

2019/7/14

中学1年生から高校3年生まで6学年の生徒が学ぶ世田谷学園のキャンパスと同中学校・高校の山本慈訓校長

中高一貫校では首都圏で唯一という、座禅の専用施設「禅堂」を持つ学校が世田谷学園(東京・世田谷)だ。禅宗の主要宗派である曹洞宗が設立した私立の男子校で、都内で有数の進学校でもある。禅の教えが根付いている世田谷学園の成り立ちや強みを山本慈訓校長に聞いた。

■驚きの長い歴史 僧侶養成機関がルーツ

世田谷学園の「禅堂」。学校でここまで本格的な施設を備えるのは珍しい=世田谷学園提供

学園のルーツは、1592年にできた曹洞宗吉祥寺の学寮(僧侶養成機関、後の旃檀林=せんだんりん)に遡る。何しろ豊臣秀吉が太閤の座にあった時代というから驚きだ。江戸時代には、東京大学の源流といわれる「昌平坂学問所」と並び称されたという。現在の学校に直接つながる「創立」から数えても歴史は118年に及ぶ。戦後にできた学校法人世田谷学園も曹洞宗の設立だ。

東京・渋谷駅から東京急行電鉄田園都市線で5分の三軒茶屋駅で降り、歩いて10分ほど――。学園は名前の通り世田谷区にある。そのキャンパスにあって、学園自らが「心臓部分ともいえる」と紹介するのが、約60人が座禅できる専用の施設「禅堂」だ。禅寺では、もっぱら僧侶が座る修行の場所だが、こちらは生徒のほか地域住民にも開放している。座禅は同校の柱と位置づけられ、校章も座禅を組む姿を図案化したものだという。

参禅する人の肩をたたく「警策(きょうさく)」もある

生徒の座禅は授業の一環として行うこともあるが、それ以外にも週1回、早朝に機会を設けている。60人の定員からあふれてしまうほどの人気という。毎年12月初めには、体育館で400~500人が座禅を組む。山本氏は「気持ちがすっきりすると、効果を感じてくれる生徒が多い」と話す。大学入試の際、試験が始まる直前にその場で座禅を組み、平常心を取り戻した生徒もいたそうだ。

精神を穏やかに整える「マインドフルネス」はビジネスパーソンのたしなみとしても広がりをみせているが、そのやり方の下地になっているのは「禅」の考え方だ。もちろん欧米でアレンジされたメソッドであり、禅宗の教えなどとは違う部分もある。しかし、仏教専修科もある世田谷学園の座禅は本物だ。肩をたたく「警策(きょうさく)」もちゃんと用意されている。

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