教育理念は「Think&Share」 なぜ英語?

道徳にあたる「生き方」というオリジナルの授業が全学年で週に1回ある。宗教の知識を教えるのでなく、「生き方を考える時間」(山本氏)という位置づけだ。具体的には生命倫理や地球環境などを取り上げており、写経も体験できる。そうした学びを生かしてSF小説を書き、星新一賞のジュニア部門グランプリを受賞した生徒もいた。

カナダでの語学研修は「全員参加」の行事だ=世田谷学園提供

人間性を磨く意味からも、多様な経験を提供することに熱心だ。たとえば、高校1年生は7月にカナダへの語学研修を経験する。希望者向けに海外体験の機会を用意する私立校は珍しくないが、世田谷学園では全員参加だ。寮や個人の家庭で過ごす、この短期留学は30年以上も続いている。

柔道の強豪校というイメージは、かつて同じ世田谷区にあった柔道の私塾、講道学舎から生徒を受け入れていた時代のもの。古賀稔彦、吉田秀彦両選手ら五輪金メダリストが高校時代に活躍した。現役選手ではリオデジャネイロ五輪の男子73キロ級で優勝した大野将平選手が卒業生だ。ただ、同学舎は15年に閉塾し、生徒の受け入れも終了している。

現在、元気なのは空手道部でインターハイの常連だ。吹奏楽でもコンクールで上位入賞の実績がある。生物部や物理部といった文化系、しかもサイエンス畑のクラブ活動が盛んなところも持ち味のようだ。

学園の教育理念は「Think&Share」。仏教に根ざす学校で英語の理念は意外だが、これは釈迦(しゃか)の言葉「天上天下唯我独尊」を世界に通じるように訳したものだという。この言葉の意味を「自分勝手でひとりよがり」と誤解している人も多いが、本来は一人ひとりをかけがえのない尊い存在ととらえ、互いに認め合うという意味合い。人だけでなく、地球上の生物や環境にまで思いをはせる理念として、2語に凝縮した。

山本氏は「賢く豊かでたくましい人間像を目標に掲げている。特に慈悲や勇気を備える機会にしてほしい」。大人になって問われる人間力を養ううえで、禅の教えはよりどころになってくれそうだ。

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