五輪は単独から広域開催へ 30年冬季めざす札幌は?

国際オリンピック委員会(IOC)は6月の総会で2026年冬季五輪の開催都市にイタリアで共催するミラノ・コルティナダンペッツォを選んだ。膨れあがる開催経費を嫌って五輪招致熱は冷え込み、五輪は複数の都市、国による広域開催がより現実的な選択肢となっている。

26年五輪招致では、ミラノ・コルティナダンペッツォの対抗馬となったのもスウェーデンのストックホルム・オーレの共催案。こちらはさらにそり競技を隣国のラトビアで実施する計画だった。開催都市以外に競技会場を設ける大会は珍しくはないが、複数の都市・自治体が名を連ねた共催五輪は史上初めてとなる。

IOCは26年開催地の決定後、開催都市選定の仕組みを抜本的に改革する五輪憲章の改定も実施。30年大会以降は複数の国や地域、都市による共催を正式に憲章に盛り込んだ。これからの五輪は「開催都市」ではなく「開催地」となる。開催地決定を原則7年前としていた規定も削除、より柔軟に選べるルールに変更した。

30年五輪には札幌市が招致を目指している。札幌も競技会場は市外にも広がる見通しだが、共催とはならず、従来通りの選手や観客の利便性に配慮した計画となりそうだ。

ただ、昨今のIOCの方針では、既存施設を活用したコスト削減と、住民の高い支持率が招致成功のための不可欠の条件。26年招致でのイタリアの勝因もスウェーデンを圧倒した国民の開催支持率だった。札幌市も正式な招致活動に乗り出す前に、市民、道民、さらに国民の意向をきちんと確かめる手順を踏んでもらいたい。

(編集委員 北川和徳)