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食の達人コラム

わずか34年で最高級ワイン フランチャコルタの奇跡 エンジョイ・ワイン(14)

2019/7/12

グイド・ベルルッキのワイン

時にイタリアは高度経済成長の真っただ中。発売間もないフランチャコルタは、大消費地のミラノまで車で約1時間という地の利もあり、即座に人気に火が付いた。67年には高級ワインの証であるDOC(統制原産地呼称)の認定を政府から受け、95年にはイタリアワインの最高ランクであるDOCG(統制保証原産地呼称)に格上げ。名称も正式にフランチャコルタに統一された。この間、ベルルッキの成功に刺激されたミラノの実業家や投資家らが次々とフランチャコルタの製造に参入し、市場は一気に拡大した。

こうした大躍進は「フランチャコルタの奇跡」とも呼ばれる。その立役者である2人は、今の時代に例えるなら、ジリアーニは才能とやる気にあふれる若手起業家、ベルルッキはそれを応援するベンチャー・キャピタリストと言ったところだろうか。その後、ベルルッキの経営はジリアーニ一族が引き継ぎ、今に至っている。

今回、ベルルッキで、さまざまなタイプのフランチャコルタをイタリア料理の一皿一皿に合わせて味わう機会を得た。瓶内二次発酵方式で造るフランチャコルタは瓶の中で二次発酵が終了した後も、発酵に使った酵母や酵母のエサとして加えた糖類、発酵の副産物などをすぐには取り除かず、しばらく瓶の中でワインと一緒に熟成させるため、ふつうのスパークリングワインに比べて複雑でコクのある味わいになる。だから、フレッシュさが求められる食前酒としてだけでなく、複雑な味わいの料理とのハーモニーが求められる食中酒としても楽しめるというわけだ。

例えば、フレッシュサラミのラグーソースを絡めたフリッジのパスタに合わせたのは、「ベルルッキ‘61 フランチャコルタ ナチューレ 2012」。同じ年に収穫したブドウだけから造る「ミレッジマート」タイプで、発酵後に5年以上の瓶熟成を経ているため、コクのある味わいだ。また、ドサージュ(仕上げに糖分を含んだリキュールを加えること)をしていないため、辛口で、余韻の長い酸味とミネラル感も印象的だ。

メーン料理の、牧草で育てた牛フィレ肉には、ピノ・ネーロ(ピノ・ノワールのイタリアでの呼び名)から造った「ベルルッキ‘61 フランチャコルタ ナチューレ ロゼ 2012」を合わせた。ロゼ特有のほのかな渋みと熟成から来るうまみ、そしてフランチャコルタならではの軽快な果実感が、脂身の少ない赤身の牛肉にぴったりだ。

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