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住宅ローン金利、全期間固定型が1%切る水準に

2019/7/13

買取型も保証型も、省エネ性能などで一定基準を満たす住宅なら「フラット35S」と呼ぶ金利優遇制度が使え、最長で当初10年間、金利がさらに年0.25%下がる。最近はフラット35利用者の大半がこの優遇を受けている。優遇が適用されれば保証型の金利は0.7%台まで下がる。

フラット35を一般の住宅ローンと比較してみよう。

住宅金融支援機構が今年4月に行った調査によると、一般の住宅ローン利用者の60%が変動型、25%が固定期間選択型を選んでいる。固定期間選択型とは、当初一定期間だけ金利が固定されるタイプで、主力は当初10年固定型だ。

金融機関が独自に提供する変動型や当初10年固定型の金利も非常に低い水準にある。10年固定型の7月適用分の最優遇金利は三菱UFJ銀行が0.69%、三井住友信託銀行が0.65%(保証料型)など。ただ、10年が経過した後の金利は上昇するのが一般的だ。

■借り換え用は高め

もう一つの変動型はここにきて金利引き下げの動きが鈍い。MFSが調べた平均値によると、7月はインターネット銀行で0.48%、大手銀行は0.59%と前月から変化がなかった。既に限界まで金利を下げている銀行が多いからだ。

その結果、フラット35と変動型、当初10年固定型との金利差は、かつてないほど縮まっている。この差を「将来の金利上昇リスクに備える保険料」ととらえれば、極めて低いコストで金利上昇に備えられる。新規で借りる人はフラット35が有力な選択肢になる。

ただ、借り換えの場合は事情が異なる。フラット35が有利なのは主に新規で住宅ローンを借りる人だ。ARUHIや住信SBIネット銀には借り換え用の保証型もあるが、金利は新規融資用より高め。例えばARUHIの「スーパーフラット借換」の金利は年1.13%。フラット35Sも借り換えは対象外となる。

■残り期間が短いと逆効果

銀行は変動型について、借り換えの利用者に新規より低い金利を提示するケースが多い。残りの返済期間が短いなら金利上昇リスクにさらされる期間も短くなる。「金利差分を払ってまで全期間固定型を選ぶ方がいいかどうかはケースによる」(中山田氏)

半面、借り換えには手数料などの諸費用がかかるため、残り期間が短すぎると逆効果になりかねない。一般には「残りの返済期間10年以上、残債1000万円以上、借り換え前後の金利差1%以上」が借り換えが有利になる目安となる。

8月以降の金利にも気を配りたい。長期金利の低下が今後も長引くかは予断を許さない。低金利とはいえ、借入額をむやみに増やさず、収入からみて無理のない返済額にとどめる注意も欠かせない。

(堀大介)

[日本経済新聞朝刊2019年7月6日付]

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