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伸び盛りのスタートアップ企業では様々な知見を得やすい。写真はイメージ =PIXTA

伸び盛りのスタートアップ企業では様々な知見を得やすい。写真はイメージ =PIXTA

「人生100年時代」を迎える半面、終身雇用が崩れつつあり、多くのビジネスパーソンが今後どのように自分のキャリアを築いていくかを迷っています。今回は、人材としての市場価値を高める手段の一つとして「スタートアップ企業で経験を積む」ということにフォーカスしてみましょう。

年収ダウン覚悟でベンチャー企業に転職

人工知能(AI)を活用したソリューションなど、テクノロジーの進化に伴って新しいビジネスモデルが続々と登場し、「価値」そのものの変化スピードが加速しています。そうした環境下では、キャリアの市場価値が突然、あるいは徐々に低下していく人もいれば、逆に上がっていく人もいるでしょう。では、何が分かれ目になるのでしょうか。

ビジネスパーソンとしての「寿命」は延びる傾向にあります。しかし、トヨタ自動車の豊田章男社長から「終身雇用を守っていくのは難しい」という発言が飛び出したように、大手企業にいても、会社がキャリアのレールを最後まで敷いてくれる時代ではなくなりました。まさに、自身のキャリアは自己責任で守る必要があり、企業に依存できない状況になっています。

中長期視点でキャリアを維持・向上させるためにはどんなステップを踏んでいけばいいか、悩む人も多く見られます。私は転職エージェントという立場上、多くのエグゼクティブクラスのビジネスパーソンとお会いしています。彼らが「強いキャリア」を築き、今のポジションに到達するまでのプロセスを聞くと、多くの人に共通して見られる特徴があります。

それは「一度大きくしゃがんで、ジャンプアップした経験を持つ」ということです。大手企業やメガベンチャーなどでキャリアを積んだ後、まだ名もないベンチャー企業に転職し、一時期は大きく年収を落としながらも、そのベンチャーの成長に貢献。その企業の経営ボード(取締役会)になる、あるいは別の企業に移って経営ボードとして活躍しているというケースです。モデルストーリーを紹介しましょう。

スタートアップで「価値創造」「経営」のスキルを習得

Aさん(30代)は大手企業のマーケティング職。複数のプロジェクトマネジメントやチームリーダーを務めてきました。しかし、大規模な組織では、しがらみにとらわれて新しいアイデアを実行に移せなかったり、稟議(りんぎ)を待っている間に先を越されたり。そんなスピードの遅さにもどかしさを感じ、小規模ベンチャーへの転職を決意。創業して間もないスタートアップ企業・B社に参画しました。

ちなみに、「スタートアップ」とは、社会課題の解決や社会の変革を目指し、イノベーションを起こしたり、新たなビジネスモデルを生み出したりする概念を指します。

B社を創業したのは、IT(情報技術)コンサルタント出身の社長とエンジニア出身のCTO(最高技術責任者)。メンバーはエンジニアとセールスの5人ほどで、AさんはCMO(最高マーケティング責任者)として迎えられました。

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