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スタートアップ転職の魅力 IPO・報酬+広がる進路 エグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子

2019/7/12

■成長を見届け、次のスタートアップへ

B社はすでにプロダクトをリリースしていますが、認知度はまだ低く、ユーザーの声を吸い上げながらプロダクトを磨き込むフェーズ(段階)。売上もまだ立っていないため、Aさんに提示された年収は前職より大幅ダウンとなる額でした。それでも事業に可能性を感じたこと、創業者の理念に共感したことから、Aさんは入社を決意したのです。

B社はその後、ベンチャーキャピタルから資金調達して急成長を遂げ、新規株式公開(IPO)も実現。Aさんはストックオプションにより、まとまった資産を得たほか、安定した役員報酬を得られるようになりました。

ところが、事業が安定し、組織が拡大してくると、B社は徐々に「守り」に入るように。Aさんは「立ち上げ時のワクワク感をもう一度味わいたい」と、新たに立ち上がったスタートアップベンチャー・C社に取締役として入社しました。

Aさんのキャリアを整理すると、B社でのスタートアップの経験は初めてで、試行錯誤を重ね、失敗もありました。その経験を活かすことで、C社ではスムーズに新規事業を軌道に乗せ、再度のIPOを達成。2度目のストックオプションでさらに資産を増やしたAさんは、自ら会社を立ち上げ、これまでの経験と人脈を生かして、新規ビジネスの創出に取り組んでいます。

このモデルケースで挙げたAさんはマーケティング畑の出身ですが、技術系(CTO)、経理財務系(CFO、最高財務責任者)など、さまざまな「CxO」人材について、こうしたケースを多く見てきました。「CxOとしてスタートアップベンチャーを渡り歩く」「複数企業の顧問、社外取締役を兼任する」「エンジェル投資家になる」といった道を選んでいる人もいます。

■「CxO」クラス以外にも人材ニーズ

また、最近は大手企業や行政でも新規事業への取り組みが活発化していますので、大手企業の新規事業開発室や各省庁の補佐的ポジションなどの立場で迎えられ、スタートアップの経験を生かしているケースも見られます。

「新しい価値」「新しい市場」を生み出し、育てた経験・ノウハウは、「人材」としての市場価値アップにつながります。スタートアップ企業で経験を積むのは、その手段の一つと言えるでしょう。

スタートアップやベンチャー企業では、先に挙げたような「CxO」クラスの人材ニーズがあるほか、メンバー~リーダークラスの採用も行っています。職種は新規事業開発、マーケティング、営業、カスタマーサクセス、人事・採用・広報・経理のバックオフィスなど多様です。

ただし、こうした求人は、一般の求人サイトなどで検索してもなかなか見つかりません。多くは「リファラル採用」――つまり既存メンバーの知人など、ネットワーク内で採用が完了するためです。

では、そうした情報を得るネットワークを持っていない場合、転職先候補となるスタートアップ企業をどのように見つけるか。それには次のような手段があります。

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