持ち運び簡単で場所選ばず シャープ「除菌脱臭機」
注目の新製品や新サービスをピックアップ、市場性や開発者の声などから、日経トレンディ記者が大胆に「ヒット予報」をする。今回取り上げたのは、シャープ「プラズマクラスター除菌脱臭機DY-S01」。脱臭に特化したことが最大の特徴だ。
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●実勢価格/4万8470円(税込み)
●脱臭適用床面積/~15畳(目安)
●サイズ・重さ/径23.3×高さ57cm・約3.9kg
●電源コードの長さ/1.8m
●発売日/6月13日
シャープが空気の清浄化作用などをうたう「プラズマクラスター」。その搭載商品・デバイスの出荷台数は8000万以上。さらに6月13日に「プラズマクラスター除菌脱臭機DY-S01」を発売した。
特徴は、ニオイの除去だけに特化したこと。約10年前から空気清浄機の国内普及率(一般世帯)は40%前後と横ばい傾向が続く。花粉対策機能や加湿機能など高性能化が進んでも必需品とはならなかった。だが、在宅介護やペットを室内飼いする家庭が増え、ニオイの悩みが顕在化してきた背景から、除菌・脱臭に機能を絞った新商品を開発。これまで空気清浄機の購入まで至らなかった層を狙う。
同社のフラッグシップ製品に搭載されるプラズマクラスターNEXTに加え、新たに光触媒脱臭フィルターも搭載。空気中のニオイを吸着し、分解する。10年後も94%の脱臭性能が持続するといい、フィルター交換の必要もない。
軽量で持ち運びしやすい点も便利。ニオイが気になる場所にどこへでも持っていける。実際にくさやを置いて同商品を稼働させた空間は、何もしなかった空間より確かにニオイが軽減されていた。
パナソニックが発売する次亜塩素酸を活用した除菌脱臭機「ジアイーノ」シリーズも好調。新市場が生まれそうだが、ネックとなるのは価格。一般的な空気清浄機より高価なため、脱臭力の高さをどこまで訴求できるかが勝負だ。
パナソニックが発売する脱臭専用機も好調で、ニオイに特化した市場は拡大傾向。シャープの同商品は、軽いうえに省スペースで持ち運びしやすい。ただ、機能を絞っても高価なため、納得感ある脱臭力を打ち出す必要がある。
[日経トレンディ2019年8月号の記事を再構成]
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