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19年型エアコン、最上位機種のメーカー別すごい機能

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NIKKEI STYLE

近年、進化が著しいエアコン。「電気代が高い」「温度調節が難しい」「内部の手入れが大変」などの課題を次々に改善し、最近では無線LANに対応することで外出先から操作できる機種も珍しくはなくなった。店頭に並ぶ各メーカーの最上位機にはいったいどんな機能がついているのか。家電ライターの田中真紀子さんに、各社フラッグシップモデルの特徴、力を入れている機能について解説してもらった。

◇  ◇  ◇

内部の汚れを凍結洗浄/日立

エアコン内部の熱交換器やファンの汚れは、臭いやエアコン能力の低下につながるため、定期的にお手入れをする必要がある。しかし部品を取り外さなければならないこともあってユーザー自身が行うのは難しい。自動で掃除するとうたうエアコンの多くも、掃除するのはフィルターのみだ。

この「お手入れ問題」にさらに踏み込んだのが日立ジョンソンコントロールズ空調。同社のエアコン「白くまくん」プレミアムXシリーズには、熱交換器の汚れとファンのホコリを自動で掃除する「凍結洗浄 ファンロボ」が搭載されている。

エアコン内部の熱交換器を凍らせてからたくわえた霜を一気に溶かし、熱交換器に付着したホコリやカビ、油汚れを洗い流す仕組み。人や部屋の環境を認識する「くらしカメラAI」により、人がいないときを選んで自動で掃除を行うほか、部屋の状況や生活シーンからエアコン内部の汚れ具合を予測し、掃除頻度をコントロールする。

生活を学習して温度調節/シャープ

利用者の生活や部屋の特徴をAIが分析、理想的な使い方をエアコンが学習するというのがシャープ。「プラズマクラスターエアコン」Xシリーズは、無線LANを内蔵し、クラウドのAIを通して、運転状況や使い方に関する情報を分析・学習する。その情報をもとに起床時間や外出時間などの生活パターン、部屋の冷えやすさや暖まりやすさと部屋の特徴を覚え、最適な運転を選択する。

ちょうどいい時間に無駄なく運転できるよう、最適な運転開始時刻を算出し、スマートフォンのアプリに通知。時間をかけて立ち上げることで消費電力量も抑えるという。人の不在時間もクラウドに蓄積して学習し、不在になると自動で「おでかけ運転」に切り替え、設定温度を最大5度ゆるめて無駄な冷やしすぎ、暖めすぎを抑えつつ、帰宅時に快適な温度に調整する。

未来を予測し効率的に冷房/パナソニック

未来を予測して適切な運転を行おうとしているのがパナソニック。「Eolia(エオリア)」WXシリーズは気象情報会社ウェザーニューズと提携し、AIが気象データを自動で取り込んで解析し、未来の空気の汚れを先読みして自動で空気清浄を開始する「AI先読み空気清浄」を搭載している。

少し外出する際に、エアコンをつけっぱなしにするか消すか迷った場合、スマートフォンのアプリ「つけっぱなし判定」を使えば、未来の電気代と室温を予測してくれるので、どちらがいいかを判断できる。

好みの温度を推測し自動調整/ダイキン

ダイキン工業も部屋の状況やリモコンの操作履歴をAIが解析し、快適な空間をつくり出そうと取り組んでいる。「AI快適自動運転」を搭載したルームエアコン「うるさら7」シリーズは、室内の温度や湿度、壁からの輻射熱、リモコンの操作履歴をAIが解析し、快適な空間環境をつくる。一定時間リモコンの温度設定が変更されないと、それをユーザーの好みの環境であると記憶し、外気温や室内の環境が変化しても好みの状況を再現するので、次第にリモコンの設定変更が不要になっていく。

湿度が体感温度に与える影響にも注目。湿度をコントロールして居心地のいい室内をつくり出す。無線LAN内蔵のRシリーズは「新・ハイブリッド除湿」を搭載し、夏場の夕方や夜間など、気温が下がり除湿運転が効きづらい時間帯でも、従来の約2倍の除湿量を実現しているという。

体感温度を先読みして自動制御/三菱電機

家の中の温度だけでなく、家の外の気温も考慮し、一人ずつの体感温度を先読みして運転モードを切り替えるのが三菱電機。「霧ヶ峰」FZシリーズは、住宅性能や外気温の変化から体感温度を先読みし、運転を自動でコントロールする「おまかせA.I.自動」を搭載。赤外線センサー「ムーブアイmirA.I.」が部屋を360度センシングして、少し先の部屋の温度と湿度の変化を予測し、最適な運転モードと気流に自動で切り替える。

 左右独立駆動する2つのプロペラファンを搭載。2人が同時に同じ部屋にいても、一人ひとりの温度の感じ方や差にあわせて、気流の強弱と方向を細かくコントロールできるため、暑がりでも寒がりでも同じ部屋で快適に過ごせる。

AIが好みの快適さを実現/富士通ゼネラル

部屋の特徴を学習したAIが気象データを活用し理想的な使い方を提案するのが富士通ゼネラル。「nocria(ノクリア)」Xシリーズは、エアコン本体のエッジと、富士通のクラウドAI「Zinrai」が連携。室内の温湿度や外気温、部屋の暖まりやすさ・冷えやすさといった建物の特性を踏まえてリモコン操作を学習し、環境が変化しても常に好みの快適さが保てるように先回りして自動で調整する「オーダーメイド快適」を搭載する。さらに学習した建物の特性や気象データをもとに、起床時刻や帰宅時刻に快適な室温となるようにタイマー予約設定を提案してくれる。

リモコンは、業界で初めてBluetooth方式を採用。テーブルなどに置いて使う据え置き型で、エアコン本体にリモコンを向ける必要がない。画面の上で手を左右に振るだけで運転のオン・オフができるほか、細かな操作は画面にタッチして行える。AIがユーザー好みの空調を学習していくため、リモコン操作も不要になってくるという。無線LANアダプター内蔵のため、スマートフォンやスマートスピーカー「Amazon Echo」「Google Home」との連携も可能だ。

冷房・除湿運転時に発生した水滴で熱交換器の汚れを洗浄したあと、熱交換器を55℃以上に加熱することで除菌する「熱交換器加熱除菌」機能も搭載する。

冷風を感じない無風感冷房/東芝

エアコンの冷房の風に当たると、体の冷えやだるさを感じるため、できるだけ風に当たりたくないという人は多い。その対策として、東芝ライフスタイルは風を感じにくい「無風感冷房」を搭載している。

「大清快」DXシリーズは、最上位ではないが、独自機能を搭載した人気モデルだ。複数のセンサーが人の体表温度や室内の温湿度、日当たりなどを見極め、暑がっていると判断したら冷房風で一気に冷やし、快適と判断したら無風感冷房に切り替える。無風感冷房時は、無数の微小の穴が開いた「風カットルーバー」が吹き出し口上部をふさぐように開き、吹き出し口下部から出る通常の冷風とぶつかることで風の質が変化。体に感じにくい冷風となり、睡眠時も寝心地の良い空間をつくるという。

田中真紀子
白物家電・美容家電を中心に、暮らしにまつわるモノやコトを幅広く取材、執筆するフリーライター。リアルな主婦目線で、日々の家事が楽しく快適になる家電の取り入れ方を積極的に発信する。

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