四千頭身 トリオ漫才を極め、20代お笑いで抜け出る

デビュー4年目、全員が22歳という若手ながら、じわじわとテレビ露出を増やしている四千頭身。ネタ番組はもちろん、今年4月には『アメトーーク!』(テレビ朝日系)に各自が出演するなど、それぞれがトークバラエティでも個性を発揮し始めている。

四千頭身 左/都築拓紀、1997年3月20日生まれ、茨城県出身。中央/後藤拓実、97年2月6日生まれ、岩手県出身。右/石橋遼大、96年9月13日生まれ、東京都出身。ユーチューブ公式チャンネル登録者数14万人。ワタナベエンターテインメント所属

出会いは、養成所のワタナベコメディスクール。高校卒業後に入学、いくつかのコンビやトリオを経て結成した。3人が得意とするのは、友人同士のたわいもない会話がどんどん展開していくような漫才だ。天真爛漫にボケる都築と石橋にテンションの低い後藤が淡々とツッコんで笑わせる。

お笑い芸人を目指した頃に好きだったのは、「番組では『爆笑レッドシアター』(09~10年、フジ系)。特にはんにゃさんが大好きでした」と都築。後藤と石橋は漫才への興味が強かったそうで「僕と後藤は『学天即さんが面白い』という話題で意気投合して仲良くなったんです。もともと僕は、かまいたちさんをはじめ、関西の芸人さんが好きでした」(石橋)とルーツを明かす。

若いながらも彼らが飛躍したきっかけは、トリオ結成後間もなく出演した『新しい波24』(17年、フジテレビ系)だ。以降『ネタパレ』(同)や『ZIP!』(日本テレビ系)などで知名度を高めた。

ネタ作りを担当する後藤は「M―1グランプリやABCお笑いグランプリなどの賞レースで勝つことを目標に、ライブにもどんどん出てネタの精度を高めています。今のところは漫才が中心ですが、いいネタを思いついたらキングオブコントにも挑戦したいです」と言う。「コンビと違い、3人いることで展開が作りやすいのがトリオのいいところ」だそうで「まだやっていないことは多いと思うので、トリオ漫才でできることは今のうちに全部やって後輩を困らせたいです(笑)」と意気込む。

このところトークバラエティにも出演するようになり、新たな課題も見えてきた。「次に自分が何を話そうか考えるから、ほかの人の話を聞いている余裕がない。これは早く克服しないといけません」と後藤は語り、石橋は「数秒で笑いを取れる、コンビでのお決まりを持っている先輩が多い。現場にいるとそういうくだりの必要性を実感します」と明かした。

最近はユーチューブに公式チャンネルを開設し、週1回のペースで動画を公開している。後藤が脚本を担当したショートムービーをはじめ、ネタ以外の動画も見られるこのチャンネルは「テレビをメインにしつつ、ユーチューブからもファンを増やしたい」(都築)という思いのもと、運営されている。

この先、お手本にしたい芸人について、都築が「バナナマンさんやバカリズムさんみたいに、普通にしゃべっているだけで面白さが伝わるようになりたい」と語ると、後藤と石橋も「分かる!」と激しく同調していた。

未来のお笑い界を担う若手の中でもロケットスタートを切っている。これからの動向にも注目だ。

(日経エンタテインメント!7月号の記事を再構成 文/遠藤敏文 写真/中村嘉昭)

[日経MJ2019年7月5日付]

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