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写真はイメージ=PIXTA

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終身雇用の会社が減少し、副業を認める会社が増えていくと、給与の仕組みはどうなるのでしょう? 前回は「昇給があたりまえではなくなる」ということを示しましたが、そのことについて不安を持たれた方がおられるかもしれません。しかし昇給があたりまえでなくなるからこそ、実力を認められた人が一層昇給する仕組みになる会社もあります。今、改革の現場で起きている給与制度の4つの方向性について説明しましょう。

市場価値で給与が決まる会社が増えつつある

昇給があたりまえでなくなる場合、どうやって給与を決めるようになるのでしょう。

第一の基準は「市場価値」に他なりません。たとえば大企業から中小企業までほぼ同じくらいの金額で設定されている新卒の初任給についても、市場価値が検討されるようになってきました。入社時の年収格差で調べてみれば、DeNAやファーストリテイリング、サイバーエージェント、ソニーなどで通常よりも高い金額を提示している報道がされています。

新卒でそうなのですから、中堅以上の社員ならなおさらです。

市場価値を決める要因はおおよそ2つあります。

よく言われるのが「今転職したらいくらもらえるのか」が市場価値というものです。サイボウズがそういう給与の決め方をしている、と報道されていますが、そのように目立っている会社だけではありません。たとえば中途採用が多い会社では、自然に「今転職したらいくらもらえるのか」という基準が浸透しています。なぜならそうして転職してきた人がほとんどだからです。だからたとえば中途採用の求人広告に出ている金額が、実際に将来の自分がもらえる給与を示している会社もあるわけです。

しかし転職の価値が見えない場合もあります。そんなときに使われている市場価値の基準は、成果に応じた報酬です。金融系のファンドマネジャーや、歩合制の営業職がこのような考え方で給与が決まります。これらの数値で成果がわかる職種では、会社にもたらした利益のうち、●●%をインセンティブとして受け取る、という契約をしていたりします。言い換えると「いくら稼いでいるか」がこの場合の報酬決定の基準です。

これらは市場価値と言いながらも、対象として言う市場が異なります。「今転職したらいくらもらえるのか」という場合の市場は、労働市場です。働き手が入職する際の額を、売り手と買い手とのバランスで決定する構造です。

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