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「良いチームワーク」は楽しく働くための条件のひとつ。写真はイメージ=PIXTA

「良いチームワーク」は楽しく働くための条件のひとつ。写真はイメージ=PIXTA

「新卒入社から3年で3割退職」には誤解が多い。「これは最近の傾向だ」という捉え方や「若者にこらえ性がなくなった」という見方などがそれにあたる。『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)を書いた平賀充記氏は「ずっと続いている現象。原因を『若者の我慢下手』に求めるのではなく、会社や上司側が歩み寄るべきだ」と説く。上司世代がつかみかねる20代の仕事に対する考え方や、オフィスでの心理状態について平賀氏に教わった。

30年間ずっと放置されてきた「病」

新卒採用に苦労する企業が少なくない。そして多くの企業は、若手社員の「突然の退職」にも悩んでいる。企業の人材担当者から相談を受ける平賀氏のところには「定着促進」につながる対策を求めるコンサルティング依頼が相次いでいるという。「辞めてもらっては困る。どうにかして離職を食い止めたい」というのが人事部の切実なニーズだ。「せっかく育てた若手・中堅を失うのは、それまでに投じた手間やコストを含めて甚大なロス。企業側の本気度が上がってきた」と、平賀氏はみる。

実は、平成の30年間を通じて「3年以内に新卒入社の3割が辞める」という傾向は一貫して変わっていない、と平賀氏は指摘する。「きのうきょうの出来事ではない。ずっと続いてきた課題だ」(平賀氏)。見方を変えれば、30年間にわたって放置され続けてきた「病」ともいえる。最近は団塊の世代が大量離職し、その減少分を補うことができていないために深刻度を増したが、「若者の気質や考え方が突如、変化したわけではない」(平賀氏)というのが実態だ。

若い層が辞めてしまうのは、様々な点で「自分の希望と現実の待遇や環境が折り合わない」と判断したからだろう。彼らなりの真剣な検討の結果なのだから「今どきの若い者は」「我慢が足りない」などと一方的に決めつけていては、事態の好転につながらない。「若い層はその世代ごとの思考があり、容易には変えにくい。むしろ、マネジメント層のほうが進んで彼らに歩み寄るほうが話が早い」と平賀氏は管理職世代が理解することの重要性を説く。

上手に歩み寄るためには、今の20代の思考パターンを知る必要がある。うかつな物言いで「この部長とは絶対に分かり合えない」などと見切られてしまわないためにも、彼らの「好き嫌い」を頭に入れておきたい。たとえば「自分が納得できないことには、強くあらがう性質がある」と平賀氏は分析する。「つべこべ言わず、指示通りにやれ」といった、古い世代にありがちだった命令スタイルはしばしば反発を買う。指示の前提になる説明や納得が抜け落ちているからだ。

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