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増える「高齢おひとり様」 死後託すサービスに広がり 終活見聞録(18)

2019/7/13

■葬儀の生前予約や情報登録など様々

「事業を始めると経済的に余裕があるお年寄りから『自分は登録できないのか』と連絡があった。引き取り手のない遺骨は何も低所得者だけとは限らない。葬儀や納骨は民間の業者と自由に契約してもらい、その結果や情報だけ市に登録してもらえばよいと気付いた」と北見さん。そしてもう一つの「終活情報登録伝達事業(通称=わたしの終活登録)」が昨年から始まった。緊急連絡先に加えて、エンディングノートや遺言の保管場所、墓の所在地などの11項目から自由に登録してもらい、病院や警察などから問い合わせがあれば市が回答する。昨年11月に初めて登録者が亡くなった。姪(めい)から連絡があり、登録情報を伝えたところ、親族は全員火葬に間に合い、遺書も指定された場所から出てきたという。北見さんは「シナリオ通りに進んだ。登録は現在120件程度だが、問い合わせは多い」と今後の登録者の増加を期待する。

高齢の「おひとり様」が増えている。18年の「国民生活基礎調査」(厚生労働省)によると、65歳以上の人がいる世帯では単独世帯が27.4%に上り、これまでで最も多くなった。高齢の夫婦だけという「おひとり様」予備軍を加えると全体の6割近くに達する。かつて主流だった三世代同居は今や1割となった。終活支援に取り組む自治体が増えているのは、こうした世帯構造の変化が背景にある。高齢の単独世帯は孤独死や引き取り手のいない遺骨になりかねない。神奈川県では横須賀市のほか、大和市が実施するほか、千葉市や東京都中野区なども手掛ける。

■葬儀から納骨までパッケージにして提供

民間企業も様々な形で終活支援に取り組む。終活関連サイトを運営する鎌倉新書もおひとり様向けに葬儀・墓・死後事務の手続きをサポートする「いい生前契約」と名付けたサービスを6月から始めた。49万8000円(税別)で、火葬のみの葬儀(直葬)と、保険証や免許証の返納といった死後の手続き、納骨までをパッケージにして提供する。対象は50~80代のおひとり様とその予備軍。同社の提携会社で直葬を執り行い、すでに墓を持っている人は指定場所に納骨、墓がない人は同社が運営するサイトと提携している霊園の合祀(ごうし)墓に納める。

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