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東京五輪支える女性たち 選手・行政の経験生かし奮闘

2019/7/9

写真はイメージ=PIXTA

2020年東京五輪が1年後に迫った。世界の出場選手の女性の割合は過去最高の49%になる見込みだ。「おもてなし」の最前線に立つ都市ボランティアも女性が6割を超える。アスリートや観客、ボランティアを様々な角度から支えているのは、競技生活や被災地支援、行政などいろんな分野で経験を積んだ女性たちだ。現場で奮闘する姿を追った。

■JOC・地域連携 石野枝里子さん スポーツで地域に光

石野枝里子さん(33)はスピードスケート選手として06年のトリノ冬季オリンピックに出場し、チームパシュートで4位になった。14年に現役を引退、現在は日本オリンピック委員会(JOC)のスタッフとして、国内最高レベルの競技者用運動施設「味の素ナショナルトレーニングセンター」(味の素NTC、東京・北)で勤務する。目標はスポーツによる地域の活性化。「多くの人たちに支えられて世界で戦えた。今度は私が支える」と目を輝かせる。

石野枝里子さん 日本オリンピック委員会ナショナルトレーニングセンター拠点ネットワーク推進事業アシスタントディレクター

国は地方の施設28カ所を主に五輪競技別の「強化拠点施設」に指定している。石野さんの仕事は全国各地にある施設の機能を味の素NTCにより近づけて選手の練習環境を整備するのがミッションだ。

地方拠点はラグビーや自転車などの屋外競技、スキーやスケートなどの冬季競技、ヨットやカヌーなどの海洋・水辺系競技が対象だ。石野さんは「選手時代の経験から、ほとんどのトレーニング機器の特徴は把握している。勉強したので五輪の競技ルールは夏も冬もほぼ理解している」と自信を持つ。努力して蓄えた知識とこれまでに培った粘り強さが仕事を支える。

味の素NTCの体操練習場は男子6種目、女子4種目のオリンピック種目を同時に練習できる。柔道場は約千畳の広さを誇る。ただ、地方に味の素NTCと同じものは作れない。そこで「指定施設と大学、病院、食堂、ホテルなどその土地にあるリソース(資源)を結びつける」ことで地方版「ミニNTC」をつくる。

「競技特性に合ったトレーニング機器を導入するには」「他の施設が取り組む栄養面の地域連携を知りたい」。石野さんには競技団体や指定施設からあらゆる相談が日々寄せられる。求めに応じて団体や施設、行政との会議に参加してアドバイスや意見を言う。

選手生活を離れてから、女性がスポーツ分野で活躍するための課題も見えてきた。「小さな子供を持つママ・アスリートを含め、多くの女性がトレーニングしやすい環境をつくる」。ミニNTCの整備はその一端を担う。

石野さんは中学時代にジュニア育成プログラムで海外遠征に参加し「世界で戦える人を目指すようになった」。トリノ五輪大会中、地元の北海道帯広市は夜中にパブリックビューイングを開いて応援した。ふるさとの温かさを心に刻む石野さん。拠点施設の競技が地域振興の核となり、地方に活力を生み出すことを願う。

■大会組織委・広報 伊藤華英さん 復興で心を一つに

北京、ロンドン五輪の水泳代表、伊藤華英(はなえ)さん(34)は現在、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会で広報を担当し、各地を飛び回る。スポーツで得た心の持ち方などの価値を、社会の様々な分野で育みたいと思う。

伊藤華英さん 東京五輪・パラリンピック組織委員会 広報局戦略広報課担当係長

期待されるのはアスリート視点からの広報活動への助言だ。現役時代は同じ水泳の寺川綾さんとともに脚光を浴びた。取材を受けた経験は、五輪のパートナー企業と組んだイベントの進行役などの仕事に生きる。

数々の世界大会に出場した伊藤さんも、アテネ五輪の選考会では「プレッシャーに押しつぶされ、ロッカールームから出るのが怖かった」。レースの結果、五輪出場を逃す。北京とロンドンの両大会に出場したものの、メダルには手が届かなかった。

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