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東京五輪支える女性たち 選手・行政の経験生かし奮闘

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NIKKEI STYLE

2020年東京五輪が1年後に迫った。世界の出場選手の女性の割合は過去最高の49%になる見込みだ。「おもてなし」の最前線に立つ都市ボランティアも女性が6割を超える。アスリートや観客、ボランティアを様々な角度から支えているのは、競技生活や被災地支援、行政などいろんな分野で経験を積んだ女性たちだ。現場で奮闘する姿を追った。

JOC・地域連携 石野枝里子さん スポーツで地域に光

石野枝里子さん(33)はスピードスケート選手として06年のトリノ冬季オリンピックに出場し、チームパシュートで4位になった。14年に現役を引退、現在は日本オリンピック委員会(JOC)のスタッフとして、国内最高レベルの競技者用運動施設「味の素ナショナルトレーニングセンター」(味の素NTC、東京・北)で勤務する。目標はスポーツによる地域の活性化。「多くの人たちに支えられて世界で戦えた。今度は私が支える」と目を輝かせる。

国は地方の施設28カ所を主に五輪競技別の「強化拠点施設」に指定している。石野さんの仕事は全国各地にある施設の機能を味の素NTCにより近づけて選手の練習環境を整備するのがミッションだ。

地方拠点はラグビーや自転車などの屋外競技、スキーやスケートなどの冬季競技、ヨットやカヌーなどの海洋・水辺系競技が対象だ。石野さんは「選手時代の経験から、ほとんどのトレーニング機器の特徴は把握している。勉強したので五輪の競技ルールは夏も冬もほぼ理解している」と自信を持つ。努力して蓄えた知識とこれまでに培った粘り強さが仕事を支える。

味の素NTCの体操練習場は男子6種目、女子4種目のオリンピック種目を同時に練習できる。柔道場は約千畳の広さを誇る。ただ、地方に味の素NTCと同じものは作れない。そこで「指定施設と大学、病院、食堂、ホテルなどその土地にあるリソース(資源)を結びつける」ことで地方版「ミニNTC」をつくる。

「競技特性に合ったトレーニング機器を導入するには」「他の施設が取り組む栄養面の地域連携を知りたい」。石野さんには競技団体や指定施設からあらゆる相談が日々寄せられる。求めに応じて団体や施設、行政との会議に参加してアドバイスや意見を言う。

選手生活を離れてから、女性がスポーツ分野で活躍するための課題も見えてきた。「小さな子供を持つママ・アスリートを含め、多くの女性がトレーニングしやすい環境をつくる」。ミニNTCの整備はその一端を担う。

石野さんは中学時代にジュニア育成プログラムで海外遠征に参加し「世界で戦える人を目指すようになった」。トリノ五輪大会中、地元の北海道帯広市は夜中にパブリックビューイングを開いて応援した。ふるさとの温かさを心に刻む石野さん。拠点施設の競技が地域振興の核となり、地方に活力を生み出すことを願う。

大会組織委・広報 伊藤華英さん 復興で心を一つに

北京、ロンドン五輪の水泳代表、伊藤華英(はなえ)さん(34)は現在、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会で広報を担当し、各地を飛び回る。スポーツで得た心の持ち方などの価値を、社会の様々な分野で育みたいと思う。

期待されるのはアスリート視点からの広報活動への助言だ。現役時代は同じ水泳の寺川綾さんとともに脚光を浴びた。取材を受けた経験は、五輪のパートナー企業と組んだイベントの進行役などの仕事に生きる。

数々の世界大会に出場した伊藤さんも、アテネ五輪の選考会では「プレッシャーに押しつぶされ、ロッカールームから出るのが怖かった」。レースの結果、五輪出場を逃す。北京とロンドンの両大会に出場したものの、メダルには手が届かなかった。

引退後は「強いプレッシャーのもとでベストの状態をどう作り出すか」を深く考えるようになった。早稲田大学スポーツ科学学術院でスポーツマネジメントを学び、順天堂大学大学院で博士号を取得した。日本大学では非常勤講師としてトレーニング論を担当する。

「良い時もあって、悪い時もある。夢を持って一生懸命やったことが生活の中でも生きています。チャレンジしてください」。2月22日、福島県飯舘村の小学校を訪れた伊藤さんは児童らに優しく語りかけた。東日本大震災後から、岩手県や宮城県でも小学生向け水泳教室で講師を務めるなど被災地での支援活動を続ける。講演では努力の大切さを伝える。あわせて、自分と同じようにプレッシャーを受けるであろう選手らへの目配りも忘れない。「五輪を通じて、相手への思いやりなどソフト面のレガシー(遺産)を残したい」と爽やかに笑う。

東京都庁・オリパラ準備局 小高都子さん ボランティアの安全確保

大会期間中、東京都内では3万人の都市ボランティア(シティキャスト)が活躍する。東京都庁のオリンピック・パラリンピック準備局の小高都子(くにこ)ボランティア担当部長(56)はシティキャストの配置や研修など運営の責任者だ。「安心・安全に活動してもらうのが最優先。そのために必要なのはリスク管理です」と語る。

シティキャストは空港や主要駅、観光地、競技会場の最寄り駅周辺などに立つ。国内外の観客に観光スポットや交通機関、競技会場までの案内をする。救護所や自動体外式除細動器(AED)、トイレの設置場所を把握し、警備・誘導のスタッフとも連携する。

ボランティアに申し込んだ人の6割以上が女性。男性・女性の約4人に1人は30.40代だ。活動は5日以上、1日5時間程度と参加への間口を広げた。子育て世代向けに託児サービスも提供する予定だ。区役所などと調整し、トイレや控室が借りられるようにする。

小高さんが最も重視するのはシティキャストの体調管理だ。熱中症を防ぐため、活動時間の半分は休憩に充ててもらう。暑さをしのげる休憩所を確保し、飲料水も提供する。10月から開く集合研修ではこまめな水分補給を訴える。

管理職として小高さんが担当した4つの仕事はスポーツとはほぼ無縁だった。ボランティアの責任者のポストの打診を受け、「きめ細かに配慮するのはこれまで経験した仕事と同じ。不安だと思ったらつとまらない」と奮い立った。

都営住宅など約34万戸の管理を担う東京都住宅供給公社の総務部長時代は、高齢者やひとり親世帯の複雑な入居の課題に向き合った。会計管理局では公金管理課長として、数兆円の運用責任者を務めた。スケールが大きい仕事で鍛えた手腕を五輪でも存分に振るう。

20年4月以降、個々のボランティアからの活動エリアやシフトの希望を踏まえて配置計画を短期間で作る。地道で膨大な作業だ。

都はシティキャストの募集から面談、研修、配置などを効率的に進めるためのシステムを構築し運用している。「大会後も、都が開催するイベントでノウハウを生かしたい」。誰もが安心して安全に参加できるボランティア文化を根付かせるのが目標だ。

活躍、一過性にせず ~取材を終えて~

内閣府の男女共同参画白書(18年版)によると、東京大会では「男女混合種目が新たに採用されることなどにより、女性の参加率が過去最高となる見込み」という。男性中心だったスポーツの世界にも、男女共同参画の機運は高まっている。

どんなに多くの女性が参加し活躍しても、五輪の舞台だけで終わっては意味がない。女性活躍を一過性のものにしないために欠かせないのが事後評価。女性の実績をどう広げるかを考えることが大切だ。

一例がスポーツ団体で少ない女性役員の数を増やすことだ。国際オリンピック委員会(IOC)が男女平等の推進として掲げた目標「女性の参加率50%の実現」は東京大会でほぼ達成する。日本のスポーツ界は実績や知見、可能性を持つ人材を男女分け隔てなく登用するためのヒントを、五輪の開催を通じて学び、実行に移してほしい。

(近藤英次)

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