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転ばぬ先の不動産学

空き家活用に追い風 法改正で店舗などに変更しやすく 不動産コンサルタント 田中歩

2019/7/10

空き家をシェアハウスなどに用途変更しやすくなる(写真はイメージ=PIXTA)

6月25日に改正建築基準法が施行されました。これまでは、空き家住宅を店舗やシェアハウスなどに用途を変更して活用する場合、建物の延べ床面積が100平方メートルを超えるものについては、建築確認申請が必要でしたが、今回の改正で200平方メートル以下の場合は申請が不要となりました。この法改正が空き家再生の追い風となるのでしょうか。

国土交通省「建築基準法の一部を改正する法律案」の概要より抜粋

■空き家の用途変更、検査済証が必要

建築基準法の主な改正点は、

1.建築物・市街地の安全性の確保
2.既存建築ストックの活用
3.木造建築物の整備の推進
4.その他(老人ホーム等に係る容積率※制限を緩和など)

となっていますが、空き家問題に注目が集まっている今、2の既存建築ストックの活用に焦点を絞り、お話しします。

建築確認申請は役所に対し、建物を新築したり空き家住宅の用途を変更したりする場合、その変更内容を申請し、役所にチェックをしてもらうことです。申請が必要な空き家の用途を変更する場合、対象となる建物の検査済証が発行されていることが必要となります。検査済証とは、その建物が竣工した際、建築確認申請の通りの建物が建てられているかどうか検査を受けた証です。

しかし、古い建物は検査を受けていないものが多いのです。平成以降に建築された住宅でも検査を受けていないことはよくある話です。検査を受けていない場合、まずは建物が当時の法律に照らして適正に建てられた建築物なのかどうかを調査し、適正に建築されたことを証明してからでないと、空き家の用途変更に関する建築確認申請を受け付けてもらえないのが一般的でした。

■多くの空き家に再生のチャンス

今回の改正は、住宅などの空き家について用途を店舗やシェアハウスに変更する場合、建物の延べ床面積が200平方メートル以下は建築確認申請を要しないというものですが、実際にどの程度の影響があるのでしょうか。

少なくとも筆者が空き家の再生について相談を受けたケースのうち、半分以上が延べ床面積100平方メートル超で検査を受けていない建物でした。建築当時に適正に建てられた建物かどうかを調査するだけでもかなりの費用がかかってしまうため、空き家再生の検討を断念せざるを得ない建物でした。

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