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厚生年金、加入者が亡くなると孫や親にも遺族年金 そこが知りたい厚生年金(下)

2019/7/7

 あんまり意識したことなかったけど、会社員には色々な保障があるのね。

幸子 健康保険の恩恵も大きいわよ。厚生年金に入ると勤め先の健康保険にも加入することになるけど、保険料は原則、会社が半分を負担することになっているの。しかも、被扶養者の妻や子は保険料を負担することなく医療サービスを受けられるのよ。それに、業務外の理由による病気やけがで会社を休んだときは、被保険者とその家族の生活を保障する目的で傷病手当金が出ることがあるの。連続して3日間会社を休み、その3日間を含め4日以上仕事に就けなかった日に対して支給されるわ。

良男 いざというときの備えになるね。定年などで会社を退職すると、健康保険の資格ってどうなるんだっけ?

幸子 退職前に加入していた健康保険を2年間、任意継続することができるの。ただ、退職前は従業員と会社が折半で保険料を払うけど、任意継続になると全額自己負担になるわね。でも、傷病手当金などを除けば在職中と同様の保険給付を受けられるのよ。妻や子も、これまでと同じく保険料負担ゼロで医療サービスを受けられるわ。家族には心強い保障だといえるわね。

■「年収の壁」とらわれすぎず
特定社会保険労務士 篠原宏治さん
主婦が大企業でパートとして働いた場合、社会保険料を支払い厚生年金や健康保険に加入する年収の基準は106万円です。こうした「年収の壁」を越えず、第3号被保険者でいられるように労働時間を抑える人は少なくありません。ただ、手取り収入が減るという面だけを見て保険料の負担を避けることが、必ずしも正解とは限りません。
厚生年金に加入すれば、将来の年金を増やせます。万が一の場合には障害厚生年金を受給できます。また、健康保険からは病気やけがで働けなくなった場合の傷病手当金を受け取れます。リスクへの備えを重視した場合、手取り収入が減るとしても厚生年金や健康保険に加入する意味は大きいでしょう。「年収の壁」にとらわれすぎずに、働き方を選択しましょう。(聞き手は川上純平)

[日本経済新聞夕刊2019年7月3日付]

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