Men's Fashion

卓越性を追求 「神の手」を持つ時計師パルミジャーニ

時計

2019.7.7

スイスの高級腕時計「パルミジャーニ・フルリエ」は、1996年の創業ながら、精緻を極めた作品で独自の地位を占める。ブランドを一代で築き上げたのは、「修復不可能」とされた歴史的名品を卓越した技術でよみがえらせた「神の手を持つ男」とも称される時計師(時計製作職人)だ。創業者のミシェル・パルミジャーニ氏に、スイス西部のヌーシャテル州フルリエにある本社で聞いた。

◇  ◇  ◇

――時計に興味を持ったきっかけは何ですか。

「中学生のころです。1964年のスイス国内博『エキスポ64』開催にあわせて、地域の人について、リポートにまとめる課題が出されました。この地域に少々風変わりなおじさんがいたので、その人についてリポートを書くことにしました。彼は時計師だったのですが、家畜を育てていました。もともと時計師は畜産を兼業している人が多かったのですが、彼はそうした時計師の最後の一人だったのです。以前から時計に興味を持っていたのですが、非常に刺激されて関心が深まりました」

――そこからどのようにして時計師になったのですか。

「当時はこの地域にも時計学校があったので時計の道へ進みました。その学校も、クオーツ式時計勃興によるスイス時計産業の危機の影響により、1980年代に閉鎖されましたが……。実は時計師になるか建築家になるか迷っていたのです。クリエーティビティー豊かな、充実感を味わえる仕事に就きたいと考えていたからです。ですが、地元に学校があったことから時計を選びました」

■環境が観察眼を養ってくれた

「幸い私は手先が器用でしたので、この仕事になじむことができました。おそらく両親から受け継いだものなのでしょう。父はもともと機械工で老後は彫刻をしていましたし、母ももとは仕立屋だったのですが絵を描いていました。こうした環境で育ったことで感覚が磨かれ、周りのものや自然を観察する目を養ってくれたのだと思います。そして、おのずと時計師に向いた素質が与えられたのだと思います」

カルパグラフ クロノメーター チタン PFC193-3040200-XO1442 ケース:48.2×40.4mm、チタン、30m防水 駆動装置:機械式自動巻、パワーリザーブ65時間 税別価格:394万円 28本限定