Tシャツも機能で選ぶ アウトドアメーカー人気モデル
特集 夏を乗り切る大人向けTシャツ
夏を快適に過ごすには、速乾や防臭といった機能を重視したウエア選びがポイントとなる。それはシンプルな印象のあるTシャツでも同じ。大人に似合うTシャツを取り上げる特集の第1回では、アウトドアメーカーが手掛ける高機能Tシャツを選んだ。どれも胸ポケットがアクセントとして入っており、インナーだけでなく、アウターとしても違和感のないモデルばかりだ。
吸湿速乾性の高い素材を使用/アイスブレーカー
ゴールドウインが展開する「アイスブレーカー」のTシャツは、上質な「メリノウール」(メリノ種の羊毛)を使っているのが特徴。メリノウールは天然の温度調節機能があり、夏は涼しく冬は暖かいため、アウトドア用の肌着として重宝されている素材だ。アイスブレーカーのTシャツは、ニュージーランド各地にある農場から直接契約を経て調達した、18.5ミクロン以下の高品質なメリノウールを使用している。「アイスブレーカーのTシャツは山登りなどが趣味のアウトドア愛好家から支持されている」(ゴールドウイン事業統括本部の幸村大悟氏)
今回取り上げるのは、アウトドアシーンだけでなく日常でも着やすいように、デザインにもこだわったモデルだ。ヴィンテージTシャツなどのディテールを参考にしたデザインで、ボディーは1枚着として着用しやすいシルエットになっている。ネックまわりは継ぎ目が目立ちにくいリンキング編み。ポケットにサングラスなどをホールドするループを付けるなど、日常に便利な機能も装備している。
吸湿速乾性と保温性に優れたメリノウールのTシャツは、インナーとしても1枚着としても通年着られ、肌触りも滑らか。モノ選びに厳しいアウトドア好きから支持されている高機能Tシャツだけに、暑さの厳しい夏こそその実力を実感できるだろう。
通気性・速乾性に優れる/パタゴニア
2枚目に紹介するのは、海や川などのアウトドアシーンに最適な「パタゴニア」の注目Tシャツ。サーフィンやアウトリガーカヌーなど、水辺でのアクティビティー向けに作られており、速乾性・通気性に優れているという。
「高温多湿な日本の夏では、コットン素材よりも、速乾性や通気性に優れ、紫外線防止効果も高い化繊を使用したTシャツのほうが快適に過ごすことができる。購入者の認知度も上がってきている」というのはパタゴニア日本支社マーケティング部サーフ担当、牧野知生氏。
今回紹介しているTシャツも軽量な100%リサイクル・ポリエステル・ジャージーを使用。蒸し暑い天候下で速乾性と通気性を発揮する。肌触りもよく、水の中でも外でも着用できる。
高機能でありながらスポーティー路線に走り過ぎず、日常でカジュアルに使えるデザインも魅力だ。左胸にはドロップイン型ポケットを備え、パタゴニアサーフのシンボルマークである「フライングフィッシュ」をデザイン。肩の縫い目にテープ処理を施しているため形崩れしにくく、防臭加工も施されている。
「高機能Tシャツの需要が高まっているため、販売数は好調に推移している」(牧野氏)。2019年5月単月では昨年の2倍以上の売り上げをマークした。コアユーザーは30~40代。「フライングフィッシュ」以外にも、「ボードショーツラベル」と呼ばれる復刻ロゴが胸に入ったバリエーションもあり、そちらも人気だという。
汗のニオイをスピード消臭/MXP
高機能Tシャツの需要について「特に汗のニオイが気になる季節に人気が高まる」と教えてくれたのはゴールドウインNEUTRALWORKS事業グループのプレス・プロモーションチーム、水谷浩二氏。そんな背景から、ゴールドウインでは日本の最新消臭テクノロジーを取り入れたウエアブランド「MXP」を展開している。
今回紹介しているTシャツには、コットンに加え、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同開発で生まれた消臭素材「マキシフレッシュ」と「異形断面糸ポリエステル」というテクニカル素材をミックスした生地を使用。汗のニオイを消臭し、抗菌もあるという。
コットンの風合いをキープしたドライで滑らかな肌触り、また吸汗速乾性も備えているため、汗ばむ季節でも快適に着用できる。
カットソーとして1枚で着用しやすい、流行のビッグシルエットに仕上げている点も特徴。ファッション性と機能性が高く、それでいてミニマルなデザインで日常に取り入れやすいことから、世代や職種を問わず支持されているという。
機能で選ぶアウトドアメーカーのTシャツ
ヘビーオンスTシャツ 年齢選ばず、1枚でも外出OK
吸汗速乾 シャツの下に着るインナーも高機能に
【番外編】パンツや靴下、スプレーにシート 最新ひんやり夏小物
(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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