6つボタンの詰め襟の服が印象的だったインドのモディ首相=共同
「トルコのエルドアン大統領は上品で控えめな着こなしで安心感がある」

G20サミットでは新興国リーダーも話題に上った。小谷、柴田、梶原3氏がそろって挙げたのはインドのモディ首相。特に大阪では6つボタンの詰め襟の服が印象的だったようだ。白いひげもオシャレの要素のひとつだという。

かつてオバマ米大統領が「ファッションセンスはミシェル(同大統領夫人、ファッションが注目された)より上」と言ったのは、単なるリップサービスでもなかったようだ。小谷氏は「シルクを使ったクルタ(民族衣装)を色、素材、デザインで変化をつけ、見ている人を飽きさせないモディ氏のファッションセンスは、世界の指導者の中でナンバー1かもしれない」と手放しで激賞している。

他方、柴田氏が注目したもう一人はトルコのエルドアン大統領。やはり両陛下に会われたときのスーツ姿などを評価した。「上品で控えめな着こなしで安心感がある」と言う。梶原氏はサウジアラビアのムハンマド皇太子に注目した。他国からどう見られるかを意識しており、民俗衣装から権威と伝統の独特の雰囲気が感じられるという。「モディ氏もムハンマド氏も、自国の文化に根付いたナショナルなものはインターナショナルに通じると考えているのだろう」と梶原氏。

G20サミットの参加メンバーではないものの、実は「陰のベストドレッサー」候補が1人いる。北朝鮮の金正恩・労働党委員長だ。大きく両手を振り、大股で早いスピードで歩くのが特徴だが、人民服に拠(よ)れやねじれ、窮屈な様子は感じさせない。

スーツ業界では、日本でもトップクラスの仕立て職人が平壌にいるのではないかとウワサされている。見た目にもそれと分かる英国の超高級服地を用いており「東京の一流店であつらえたら200~300万円を下らない」との指摘も出ているという。

(松本治人)

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