「インディビ」のリネンシャツ、さらっと爽やかコーデ
数ある衣装や小物の中から、その場にふさわしいアイテムを選び抜き、コーディネートを考えるのがスタイリストの仕事だ。そんな「目利き」が旬のファッションアイテムに焦点をあて、魅力を紹介する「旬アイテム」。スタイリスト、小林新氏が今回、取り上げたのはインディビジュアライズドシャツのリネンのシャツだ。
■1961年創業の米老舗シャツファクトリー
リネンはコットンより見た目や肌触りが、心なしか涼しげだ。汗をかいてもシャツが体にひっつく感じが少ない。周囲に爽やかな印象を与えることができるので、クールビズの季節にはおすすめだ。
外は猛暑でも、室内のクーラーが肌寒く感じることがある。猛暑の夏に半袖シャツもいいけれど、長袖のリネンのシャツで、暑ければ軽く袖を折り返す。大人ならそれくらいの余裕がほしい、と僕は思っている。
インディビジュアライズドシャツは1961年創業の米国のブランドである。一枚一枚を丁寧に縫製するドレスシャツファクトリーとして知られる。デザインはシンプルかつナチュラルで、スラックスはもちろんチノパンやジーンズ、短パンと何でも合わせやすいのがいい。リネンのシャツにネクタイを締める、というのもありだ。
リネンはシワになりやすい。オンで着るならクリーニングに出したものや、家庭で洗濯後、アイロンできちんとシワをとっておきたい。シワとりが簡単なのも、リネンならではである。一方、オフなら、洗いざらしのままのシワ感がまたオシャレに見える。
■オーダーで自分だけの一枚も
気がつくと僕はリネンに囲まれて生きている。シャツやパンツ、ハンカチやタオルもそうだ。夏場に仕事で海外へ行くときは、決まってリネンのシャツを3枚ほどスーツケースにしのばせている。長袖だからエアコンの寒さ対策にもなり、ホテルのシャワールームでさっと洗って部屋に干しておけば、すぐに乾くので助かる。
映画を見て僕はアメカジにあこがれ、中学時代、米国製のバッグを注文し、郵送で取り寄せた思い出がある。人と同じようなものを持つのはイヤ。そんな思いが原動力になっていたのかもしれない。
インディビジュアライズドシャツではオーダーで自分仕様のシャツを作れるのも魅力だ。襟のパターンは28種類、袖口は10種類、袖口にイニシャルだって入れられる。シルエットもややずっぽり気味のクラシックフィットやスタンダードフィット、細身のスリムフィットと体形に合わせ3種類の中から選択できる。
クールビズでチノパンと合わせたり、オフならチノの短パンと合わせたりしてもいい。色の組み合わせでも楽しめる。「シャツはコットン(綿)」という凝り固まった「理念」は横に置き、「リネン」のシャツを纏(まと)ってみてはいかがだろうか。
※商品の価格は税込み
大学卒業後、2006年に独立。雑誌や音楽、広告分野などを中心に活動。服にとどまらず、その周辺にある美術などもスタイリングの一環と考え、独自の視点を持つスタイリストとして定評がある。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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