ホットドッグの謎 カレー味キャベツ添えは関西発?

片手で気軽に食べられるホットドッグは行楽の友!
片手で気軽に食べられるホットドッグは行楽の友!

遊園地や野球場など行楽地のスタンドや喫茶店で手軽な軽食としておなじみのホットドッグ。昨年あたりから流行している韓国式ホットドッグ「ハットク」(日本でいうところのアメリカンドッグ)ではなく、細長いパンにソーセージをはさんだアレである。

店やメニューによってタマネギやピクルスを刻んだもの、キャベツを発酵させた漬物「ザワークラウト」など、さまざまなトッピングがある。関西ではトッピングとしてカレー粉で味付けしたキャベツいためが入っている……というのが今回のテーマ。

その前にホットドッグの発祥や名前の由来について簡単に説明しよう。誰がホットドッグを発明したのかは諸説あり、ニューヨーク・ブルックリンの南端にあるコニー・アイランドの屋台が発祥だとか、ニューヨークのスタジアム「ポロ・グラウンズ」の売り子さんが始めただのといわれている。

いずれにしても米国に移住してきたドイツ移民が編み出したのは間違いないようだ。19世紀後半には一般的に知られていたとされ、今ではハンバーガーと並ぶ米国人の国民食である。

名前の由来についても諸説あり、有力なのは新聞漫画から広まったという説。

ドイツでは長くて湾曲したフランクフルト・ソーセージのことを「ダックスフント・ソーセージ」と呼んでいた。というのも、これを最初に製造した店の看板犬がダックスフントだったからとか。また、ダックスフントの長い胴がソーセージをイメージさせるという理由もあった。

あるとき、ニューヨークのスタジアムで人気のソーセージとパンの売り子を新聞に漫画で紹介することになった。その際、「アツアツのダックスフント・ソーセージ」と書きたいところをスペースの関係で「ホットドッグ」と書いたのが名前の由来という。

真偽のほどはわからないが、今なら動物愛護の観点から「どうなの?」と突っ込まれそうではある。

さて、今から25年くらい前、ホットドッグにハマっていた時期がある。あるハードボイルド小説に出てくるホットドッグの作り方の描写がとてもおいしそうだったからだ。そのレシピをまねして作っては食べていた。

その小説とは藤原伊織さんの「テロリストのパラソル」。1995年に発表され、同年に第41回江戸川乱歩賞を受賞。翌年の第114回直木賞も受賞し、史上初の乱歩賞・直木賞のダブル受賞となった話題作である。