iOSの大規模アップデート iPad版を分ける意味は?西田宗千佳のデジタル未来図

OS全体に多彩な変化、今後の基盤に

実のところ、今回の新OSに関わる変更点は膨大だ。機能的に単純に良くなったところもあれば、できることは変わっていないがユーザーインターフェースは変わった、といった部分も多い。

例えば「共有」ボタン内のメニュー表示。アップル製品には「□と↑」を組み合わせたボタンがあるが、これを「共有」ボタンという。写真や文書、ウェブのURLなど、アプリの中から「他の人と共有したい」ものがあったときに使うもの、と定義されている。実際には純粋な共有だけでなく、今アプリで見ているデータを他のアプリに渡したり、「ファイル」で特定の場所へ保存したりするときにも使う。このメニューからできることはあまり変わっていないが、表示やアイコンの並び方は大きく変わっており、最初は戸惑うだろう。

iOS 13の「共有」メニュー。機能的には大きな差異はないのだが、ボタンやアイコンの並びが整理され、ずいぶん使い勝手が変わった

キーボードも少し変わった。スペース入力は基本的に半角だったが、日本語入力時には「全角スペース」が基本に変わる。日本語入力中に半角スペースを入れる場合、「SHIFT+スペース」になった。またiPadの場合、「フローティングキーボード」という入力方法が加わった。iPadのソフトウエアキーボードは画面下に固定されていたが、片手で使うことを前提とした小さなキーボードをアプリの上に重ね、好きな位置に置いて使うことができるようになっている。

iPadOS 13に搭載される「フローティングキーボード」。画面を隠さずに片手だけで文字を入力したい人に向く

これらの変化は基本的にはプラスだと思うが、一方、いきなり大きく変わるので戸惑いは大きいだろうし、アプリの互換性への影響も少なくない。今年の新バージョンは、数年ぶりの大きな変更であり、これから数年の基盤となるバージョンなのだろう。

2018年のiOS 12では、過去の機種のうち「動作対象外」となったものは少なかった。だが、iOS 13/iPadOS 13では、iPhone 5sやiPhone 6、iPad mini4など、多くの過去機種が「動作対象外」となった。

3月に「iPad mini」の新型が、5月に「iPod Touch」の新モデルが、共に4年ぶりにいきなり発表になり、ファンを驚かせた。だが、これも今考えると納得できる。新iOSは、2015年発売のiPad mini4でも、iPod Touchでも動作しないからだ。このあたりも、今後の基盤整備だと考えると納得がいく。

西田宗千佳
フリージャーナリスト。1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。
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