大きな画面に合わせた操作

それでも、iPadOSがiOSから独立した理由は、「画面の大きさが操作に大きな影響を与えるため」である。

例を挙げよう。

iOS 13/iPadOS 13では、写真を管理・編集する「写真」アプリの機能が大幅に強化されている。いままでは本当にシンプルな編集しかできなかったが、露出や彩度はもちろん、ハイライトの強さや黒の締まり具合など、単体の写真管理アプリに負けないレベルになった。動画の色調補正編集にも対応し、ちょっとした作業ならばこれだけでいい。機能自体はiOS 13でもiPadOS 13でも変わらない。しかし、画面が大きいiPadで拡大縮小しながら加工するのと、iPhoneでやるのとでは、できることも使いやすさも変わってくる。

「写真」アプリは機能強化。特にiPadのような大きな画面では、細かい色調整などもやりやすい

文字の選択や貼り付けもそうだ。iOS 13/iPadOS 13では、新しく「3本の指」を使うジェスチャーが登場した。例えば、3本の指で左へ画面を撫でると「取り消し」、3本の指を開く動作をすると「ペースト」になる。3本指のジェスチャーでできることは専用のメニューになっており、3本指でタップすると画面に現れる。ジェスチャーがわかりづらいと思うなら、「3本指タップのあとに、メニューからやりたいことを選択」というパターンでもいい。

画面を3本指でタップすると、左上にあるようなメニューが現れる。「取り消し」「カット」「コピー」「ペースト」「やり直し」をワンタップで指示できる

3本指の操作はiPhoneでも使えるが、iPhoneの小さい画面では、やや操作しにくく感じる。今まで通り、画面の長押しなどを併用した方が使いやすい。しかしiPadの場合、3本指でも画面の大きさには十分な余裕がある。3本指ジェスチャーによる操作は、iPadの方がずっと使いやすい。

より多く売れているiPhoneのためだけでなく、iPadのための機能をOSに積極的に導入し、「それぞれの機器では、それぞれにあった使い方をユーザーが自由に選んで使う」のが、iOSとiPadOSを分けていくことの本質、といっていいだろう。

だからこそ、iPhoneとiPadの両方で使える新機能の中には、iPhoneでよりメリットを感じられる機能もあり、そういった機能は「iOSの改良」としてアピールされている。

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