検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

子どもいない人生 「産めない」気持ちにどう寄り添う

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

日経ARIA

女性のライフステージを考えるとき、「子育て」や「母であること」が大きなイベントとして語られる一方で、子どものいない人生にスポットが当たることはほとんどありませんでした。これまで表には見えてこなかった女性たちの気持ちに寄り添う活動をしている、大人ライフプロデューサーのくどうみやこさんにお話を聞きます。

「結婚、出産が当たり前」の価値観で育ってきた世代の現実

私、くどうみやこは、子どもがいない女性を応援する「マダネ プロジェクト」を主宰しています。マダネ(madane) は、人生は「まだまだ」これから!というメッセージと、新しい女性像を意味する「ネオ(neo)」を組み合わせた造語です。

40代、50代の方は、小さいころから「女性は結婚して、子どもを産むのが普通」と思ってきたのではないでしょうか。私自身がまさにそうで、いずれそういうライフコースをたどるであろうことを疑いもしませんでした。でも実際は、全く違う展開になりました。

寿退社を目指したはずが…仕事の面白さに目覚めた20代

私が社会人になった頃は、まだ女性は結婚したら仕事を辞める人が大多数。私も「目指せ寿退社」という感じで就職しました。

でも、思ったように事は進みません。たまたま機会があって転職することになったのですが、新しい会社は女性の係長や課長がいる、当時としては画期的な職場。広告宣伝の部署に配属され、そこで仕事の面白さに目覚めました。

ところが会社の再編で部署が解体され、営業事務の部署に異動。やりたい仕事はできなくなり、結婚相手もいない……まさに暗黒時代です。そんな28歳のとき、知り合いの紹介でアパレルのプレスで働き始めました。

30歳を過ぎたら「いずれ結婚すればいいや」と焦りなく

アパレルの世界では、今まで会ったことがないようなスーパーウーマンたちが大活躍していました。面接で私を採用した女性役員はいろんなブランドを手掛けてきた人。「今までは大企業の看板で世の中が回ってきたけれど、これからは会社に頼らず、自分で生きていける力を持たないとダメ」と教えられました。

再び仕事にのめり込んでいき、気付いたら30歳を超えていました。30といえば、当然結婚していると思っていた年齢。でも、いざ過ぎてしまったら「いずれ結婚すればいいや」と、逆に焦りがなくなってしまいました。

「産まない」と「産めない」は違うことを痛感

焦っていたのは親のほうです。当時、長く付き合っている人がいたので、「あなたたちどういうつもりなの?」と両方の親からたびたびせっつかれました。とうとう彼のお父さんが出てきて、「僕はもうすぐ定年だから、どうか現役のうちに式を挙げてくれ」と懇願されたんです。親たちに背中を押され、というかほとんど突き飛ばされるようにして、急きょ式を挙げました。

結婚を機に湘南に引っ越し、会社は辞めました。アパレルは毎日終電で帰るような激務。ここで一旦、自分がやりたいことを考え直したいと思ったんです。もともとトレンド情報を追いかけるのが得意だったので、2002年に「流行りもの情報サイト kiteru」というウェブサイトを立ち上げました。

結婚しても、子どもはなかなかできませんでした。当時は「妊活」という言葉もなかったし、フリーになって自分の力を試そうと仕事に軸足を置いたら、結構依頼も来て忙しくなってきた。そうやって35歳が過ぎ、40歳が目前になって、「あれ、私もしかして子どもがいない人生になるのかな」、そんな考えが頭をよぎりました。

思い描いていた人生とは少し違うけど、それもありかな……そんなふうにうっすら思い始めた矢先、子宮の病気が発覚して、子どもを産めないことが決定的になりました。

「産まない」と「産めない」は違う。今までは少ないながらも可能性があったものが、ゼロパーセントになった。その事実を突き付けられて、「ああ、何で今まで真剣に向き合わなかったんだろう」と、大きなショックを受ける自分がいました。

涙を流しながら思いを吐露した女性たち

とはいえ、いつまでもしゅんとしていても仕方がない。生来の探究心で「子どもがいない人生ってどうなんだろう」ということが知りたくなり、いろいろ調べ始めたんです。そうしたら、あまりにも情報がないことに気付きました。

子どもがいない人たちだって居場所は欲しいはずだし、悩みもあるはず。それで、まずは子どもがいない人同士で集まりませんか? と呼びかけました。最初は15人くらいが集まり、子どもがいないことになった経緯や今の気持ち、世の中に対して思うことを話してもらった。そのときに初めて、「子どもがいない人のリアルな本音」に接したんです。

子どもがいない人は職場や友人の中にもいたりしますが、センシティブな問題なので、立ち入ったことまではなかなか聞けないですよね。一人ひとりの話を聞くうちに、「これは私が思っている以上に、みんなすごく傷ついたり、いろんな思いを抱えたりしていたんだ」ということが分かってきて、衝撃を受けました。しかも、多くの人が話しながら、途中から涙を流していたんです。単に「子どもがいない」というだけではとても済まされないことだと思いました。

まだまだ長い後半の人生、先が見えずに不安な気持ちでいる彼女たちが、どうしたら前向きになってくれるだろう。彼女たちの気持ちをすくい上げて世の中に発信することが、私の使命なんじゃないか。そんな思いで「マダネ プロジェクト」は始まりました。

(取材・文 谷口絵美=日経ARIA編集部、写真 花井智子)

くどうみやこ
大人ライフプロデューサー/トレンドウッチャー。メーカーの広告宣伝部、アパレルのプレスなどを経て、2002年より「トレンドウオッチャー」として活動をスタート。流行りもの情報サイト「kiteru」の編集長を務める。大人世代のライフスタイルからマーケティングまで、時流やトレンドをとらえた独自の視点で情報を発信。メディア出演や番組企画、執筆、講演など、幅広く活動する。近年は、子どもを持たない大人のマーケットに着目し、子どもがいない女性を応援する「マダネ プロジェクト」を主宰。著書に『誰も教えてくれなかった子どものいない人生の歩き方』(主婦の友社)などがある。

[日経ARIA2019年3月7日付の掲載記事を基に再構成]

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

関連キーワード

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_