施工不良で立ち退き?どう対処 レオパレス問題で注目弁護士 志賀剛一さん

天井の耐火性に問題があるアパートは特に危険と判断され、退去が要請されている
天井の耐火性に問題があるアパートは特に危険と判断され、退去が要請されている
Case:59 私の住んでいるアパートは、ニュースなどで問題になっているレオパレス21の部屋で、天井に問題があるそうです。今年2月に突然電話があり、3月末までに引っ越すよう言われました。ちょうど契約上の期限も3月末でしたが、もともと更新するつもりでした。こちらにも都合があるし、引っ越し業者の手配が難しい時期でもあったので、引っ越さずにまだそのまま住んでいます。とはいえ、施工不良の部屋に住み続けるのは心配です。どう対処すべきでしょうか。

調査が終わった物件の76%で不備

2018年、レオパレス21(以下、レオパレス)が施工したアパートの多くが施工不良であるとメディアが報じたことに端を発し、数々の問題が顕在化しました。

当初問題になった施工不良は、各戸を区切る「界壁」と呼ばれる壁が天井裏まで達していないという指摘でした。その後、界壁にとどまらず、仕切り壁や外壁の部材、天井の施工に問題がある物件が多数発見されました。その中でも天井の耐火性に問題があるアパートは特に危険と判断され、退去が要請されているようです。

レオパレスの最近の報告によれば、すべての物件(3万9085棟)で不備の有無を調べて改修工事をすべく進めているものの、5月末時点で調査が完了し判定を終えた物件は2万2056棟と56%にとどまっているようです。

また、調査が完了した物件の76%にあたる1万6766棟で不備(このうち明らかな不備は8021棟)が見つかっていますが、このうち改修工事が完了した物件は821棟にとどまるとのことです。当然、今後も不備のある物件は増えることが予想されます。

あらかじめお断りしますが、私はレオパレスと借り主との間で取り交わされた契約書や、施工不良に関してレオパレスから借り主に提示された具体的な提案を把握しているわけではありません。このため、レオパレスの公式サイトなどで公開された情報を前提にこれから説明したいと思います。

普通借家か定期借家で反論の仕方が異なる

そもそもアパートやマンションなどの賃貸借契約には普通借家契約(一般的な賃貸借契約)と定期借家契約の2種類があります。

普通借家契約では契約に賃貸借期間が定められたとしても更新されることが原則で、貸主が更新を拒む場合には正当事由が必要とされます。これに対し、定期借家契約は契約に定められた賃貸借の期間が満了しても更新がないことを特約した契約です。

普通借家契約の期間は1年以上であり、期間を1年未満とした場合には期間の定めのない契約となります。一方、定期借家契約では制限がなく、契約期間は1日でも何十年でも構いません。

レオパレスの公式サイトによれば、同社が用意する契約形態は「賃貸契約」と「マンスリー契約」の2種類に大きく分かれています。マンスリー契約のうち短期プランは最短30日から1日単位、マンスリープランは最短90日から30日単位の契約となっています。