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道選ばぬネオクラシック ドゥカティ・スクランブラー

2019/7/28

フロントサスペンションはKYB製の倒立タイプ。ストローク量は、オフロード走行に配慮し、長めの200mmとなっている

単気筒エンジンを搭載する純粋なオフロードモデルを引き合いに出すとはるかに大きくて重いが、ビッグアドベンチャーモデルよりは圧倒的にコンパクトで軽量。それがデザートスレッドの立ち位置で、このところ勢力を伸ばしつつある、ミドルクラスのアドベンチャーのニーズとちょうどかぶる。スタイリングがたまたまネオクラシックなだけで、その個性がむしろ武器といってもいいだろう。

デザートスレッドも含め、800ccのスクランブラーに共通する美点は、エンジンのほどよいビート感とスロットルの開けやすさだ。特にアナウンスされてはいないものの、マッピングの年次改良はかなり進み、この2019年型は文句のつけようがない。これ以上はバイブレーションになるが、これ以下なら味が薄くなる、ほどよい鼓動を発生。ごく普通にストリートを走っているだけで、バイクを操っている強い満足感に浸ることができる。

「スクランブラー デザートスレッド」には、ボッシュ製のコーナリングABSが標準装備される

ハンドリングはゆったりと旋回力を発揮するタイプだが、エンジンの穏やかさに添ったものでなんら違和感がない。絶妙なのはピレリ製のブロックタイヤ「スコーピオン ラリーSTR」が見せる、オンロードでのグリップ力だ。この手のタイヤの場合、アスファルト上でペースを上げると、いかにも接地面積が不足している頼りなさやゴツゴツ感があるものだが、それがない。ごく普通のロードタイヤのようにバンクさせ、スロットルを開けることができるのだ。

■年次改良は効果あり

今回は試していないが、デザートスレッドで林道ツーリングに出掛けたことがある。その時はタイヤが生き生きと機能し、ダートや多少のガレ場を難なく走破。そうした場面では、さすがに車重を感じるものの、既述の通り大型のアドベンチャーモデルのことを思えば、心理的な不安も肉体的な疲労も格段に少なくて済む。

そんなデザートスレッドのオフロード性能は、2019年型でさらに向上している。それが他の800ccスクランブラーにはない、ライディングモードの追加だ。

ハンドル左側に備えられたボタンを操作するとメーター内に「OFF-ROAD」の文字が現れ、リアブレーキのABSをキャンセルできるようになった。これによって意図的に後輪をロックさせ、車体の向きを素早く変えるなど、ライディングの自由度が大幅に高められているのだ。

こうした点からも、決して見た目だけではないドゥカティの本気度がうかがえる。デザートスレッドは多彩なバリエーションモデルの中の1台ながら、道を選ばずに遊べるというそもそもの成り立ちをピュアに推し進めたものだ。それでいて、おしゃれなネオクラシックとしても、ミドルクラスのアドベンチャーとしても、いかようにも応えてくれる万能性を身につけている。

(ライター 伊丹孝裕)

【スペック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=2100×940×1213mm
ホイールベース:1505mm
シート高:860mm
重量:209kg
エンジン:803cc 空冷4ストロークL型2気筒 OHC 2バルブ
最高出力:73ps(54kW)/8250rpm
最大トルク:67Nm(6.8kgm)/5750rpm
トランスミッション:6段MT
燃費:--km/リッター
価格:142万5000円

[webCG 2019年6月28日の記事を再構成]

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