ユニークな製品「iNSPiC ZV-123」がキヤノンから登場した。一見したところ、ただのコンパクトデジタルカメラのようだが、インクなしで印刷できる超小型のプリンターを内蔵しており、撮影した画像をその場でプリントできるのだ。

ボディーはとてもスリムでコンパクトだ。重量は188グラムでサイズは121×80×22mm。多くのデジカメと異なるのは液晶画面がないこと。簡易的なファインダーがあるだけだ。撮影はシャッターボタンを押すだけ。あとは1分弱で撮影画像がプリントされて排出される。画角は26mm相当で、画素数は約800万。

レンズ周囲のミラーは自分撮りのためのものだ。そのセルフィー用のライト(フィルライト)も備える。設定はボディー上部のフラッシュのオン/オフや縦横比変更くらいしかできない潔い仕様となっている。撮影した画像は電源を切らない限り何枚でもペーパーがあれば再プリント可能となっている。しかし電源を切ってしまうと、再度電源を入れても印刷はできない。
なので気に入ったカットの場合はその場で何枚もプリントする必要がある。なお、撮影画像はmicroSDカードスロットにカードを挿せば記録される。しかしカードからのプリントはできない。
インクなしで印刷するシステムは「Zero Ink Technology」という米ジンク・ホールディングスの技術を採用したもので、あらかじめ専用紙に埋め込まれた色が、プリンターヘッドの熱を加えることによって発色するという仕組み。そのプリントはなかなかノスタルジックな雰囲気を持つ独特な仕上がりだ。裏紙を剥がすとシールになっているのでさまざまなところにプリントを貼って楽しめるところが面白い。


また「iNSPiC ZV-123」はスマートフォンと連携機能をもっており、スマホに「Canon Mini Print」をインストールすると、スマホ内の画像プリントや、写真の加工、レイアウト、テキスト入れができる。子どもの持ち物に顔写真と名前をプリントして貼ったりなど有効に使えそうだ。

次ページの作例では「iNSPiC ZV-123」で印刷したものをスキャンして掲載する。