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消費増税、定期券・年間パスは事前購入がお得 中小商店ならポイント5%還元

2019/7/7

今回の増税では軽減税率が初めて導入される。家計消費の4分の1を占めるとされる飲食料品(食品表示法に規定)は10月以降も税率が8%に据え置かれる。

軽減税率の対象商品なら慌てて購入する必要はないが中にはまぎらわしい商品もある(図B)。例えばノンアルコールビールは飲食料品なので8%が適用されるが、発泡酒はアルコール度数1度以上の酒類となり消費税率は10%だ。外食は飲食設備のある場所で食べると10%だが、テークアウトの場合は8%。医薬品・医薬部外品は10%だ。

負担軽減策でもう一つ気になるのがポイント還元だ。クレジットカードや電子マネーなどを使いキャッシュレス決済をすると一定率のポイントを受け取れ、実質的に税負担を抑えられることがある(図C)。政府がポイント原資となる補助金を決済事業者を通じて消費者に還元する。20年6月までの時限措置だ。

■キャッシュレス決済始める好機

還元率は中小事業者の店舗では5%、大手企業のフランチャイズ店舗だと2%となる(大手企業は対象外)。事業者は国に登録する必要があり、経済産業省は7月下旬以降、公表する予定だ。日々の暮らしに必要な物は、切手や商品券など一部を除き幅広く補助の対象となる。キャッシュレス決済に慣れていない人も用意しておきたい。

図Cのように軽減税率の対象品を中小店舗でキャッシュレス決済すれば実質3%の負担となり、むしろ増税後のほうがお得だ。負担が10%となるのは大手の店舗で非対象品を買う場合などとなる。大手店舗での販売が多くセール対象になりにくい宝飾品やブランド品などは増税前の購入を検討してもいいだろう。

そもそも消費税がかからない取引もあるので把握しておきたい。土地の譲渡・賃貸、有価証券の売却、保険料などは消費税の対象外。社会政策的な配慮から介護保険サービスや学校の授業料などもかからない。

課税か非課税か紛らわしいケースもある。例えば駐車場代だ。マンションで1戸につき1台以上の駐車スペースが割り当てられる場合は消費税がかからないが、駐車場の場所が離れていたり借りるかどうか選べたりする場合は課税対象。「小規模な集合住宅なら課税売上高が年1000万円超という納税基準を下回り消費税がかからないことが多い」(新宿総合会計事務所の杉江延雄税理士)

政府は、増税に伴い事業者が「消費税還元セール」などと宣伝・広告することを禁じる一方、「10月1日から○%値下げ」「○ポイント還元」といった表示は問題ないとしている。増税前後に予想されるセールなども上手に活用しながら冷静に備えたい。

(成瀬美和)

[日本経済新聞朝刊2019年6月29日付]

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