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週末の寝だめ 肥満・糖尿病のリスク高める可能性

日経Gooday

2019/7/21

■週末寝だめ群は体重が増え、インスリン感受性が低下

対照群は、試験期間中毎日8時間程度眠っていました。短時間睡眠群は一貫して5時間弱で、試験開始前より有意に短くなっていました。

一方、週末寝だめ群は、平日の睡眠時間は5時間弱で、試験開始前に比べ有意に短く、週末の睡眠時間は有意に長くなっていました。金曜と土曜の夜から翌朝にかけては、どちらも9~10時間程度眠っていましたが、日曜の夜から月曜朝にかけての睡眠時間は6時間だったため、週末の3夜を合わせた睡眠時間は対照群に比較べ1.1時間長いに留まりました。

エネルギー摂取の総量は、どのグループも試験開始前に比べ増加していました。対照群と短時間睡眠群では試験期間中のエネルギー摂取量は一定でしたが、週末寝だめ群では週末に減少していました。夕食後のエネルギー摂取の総量に注目して比較すると、対照群に比べ短時間睡眠群と週末寝だめ群(週末を除く)では多くなっていました。

体重は、試験開始前に比べ全ての群で増加していましたが、統計学的に有意に増加していたのは、短時間睡眠群(1.4kg増加)と週末寝だめ群(1.3kg増加)でした。

体内時計の遅れは、夕方から夜にかけてメラトニンの分泌が始まる時刻を指標に評価しました。週末寝だめ群では、試験終了前日にはメラトニンの分泌が始まる時刻が1.7時間程度遅くなり、朝方に分泌が抑制される時刻も1.4時間程度遅くなっていました。短時間睡眠群でも、分泌が始まる時間に有意な遅れが見られました。

インスリン感受性は、短時間睡眠群と週末寝だめ群で低下していました。全身のインスリン感受性は、短時間睡眠群で13%低下、週末寝だめ群で27%低下していました。さらに週末寝だめ群では、筋肉のインスリン感受性も有意に低下し、肝臓のインスリン感受性も低下傾向を示しました。

以上の結果から、週末の寝だめは、体内時計の遅れを加速させ、体重を増やし、全身のインスリン感受性に加え筋肉と肝臓のインスリン感受性の低下も引き起こす可能性が示唆されました。

論文は、Current Biology誌2019年3月18日号に掲載されています[注2]

[注2]Depner CM, et al. Curr Biol. 2019 Mar 18;29(6):957-967.

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

[日経Gooday2019年6月18日付記事を再構成]

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